フォルクスワーゲンの労働者が独国内9拠点で時限スト、労使対立激化なら生産にさらなる負担も
ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の労働者は2日、国内の9つの自動車工場・部品工場で数時間の時限ストを開始した。同社では労組が国内事業の方針を巡って対立しており、今回の時限ストで組み立てラインがストップした。合意に達しなければストライキは激化し、納入数の減少と利益の急落に直面するVWの生産にさらなる負担がかかる可能性がある。 ウォルフスブルクの本社には数千人が集結した。ハノーバー、エムデン、ザルツギッター、ブラウンシュワイクなどの工場でデモが行われた。 VW労働協議会の代表者は次のように話す。 VW労働協議会 ダニエラ・カバロさん 「交渉は1週間後の12月9日に再開される。会社側がどう立ち向かうか見てみよう。次回の交渉で方向性が定まると確信している。和解か、それともエスカレーションか?我々はどちらの準備もできている」 金属産業労組が主導したこのストライキは、スト回避の合意が週末に失効したことを受けて行われた。 労働者側は経営陣による10%の賃金カットの方針に抗議している。会社側は利益が減少する中、コストを削減して市場シェアを守るためには、賃金カットが不可欠だと主張している。 労働組合は賃金カットに強く反対。代替案として2025年と26年のボーナスを放棄することで会社側に約2400億円の節約をもたらす措置を提案したが、会社側はこれを拒否した。 また会社側は創業87年の歴史上初めて、国内の工場閉鎖も辞さないとしている。交渉は12月9日に再開される予定だが、労働組合はドイツ全土の工場すべてに対する明確な長期戦略が欠如したいかなる合意にも反対すると表明した。