カジノだけじゃない『IR』開業すれば“ビジネス客に期待”のワケは?大阪府・市の税収は大幅アップ!? 一方でギャンブル依存は大丈夫?メリット・デメリットを徹底解明
さらに、税収の増加も期待されています。カジノ税は「掛け金-払戻金=売り上げ」の3割を賦課するため、大きな税収が見込めるのです。さらに「入場料の3割」も税として徴収され、これらの収入を国と大阪府・市で折半すると、それぞれ約1000億円の税収になるという試算もあります。
ギャンブル依存・治安悪化…IRの懸念と対策
次に、IRの負の側面を見ていきましょう。国際カジノ研究所・木曽崇所長が挙げるカジノの懸念点は以下4点です。これらの懸念に対して、シンガポールをお手本に対策が立てられています。 (1)ギャンブル依存 (2)地域の治安悪化 (3)反社会的勢力の関与 (4)教育への影響 ギャンブル依存症については、「ギャンブル等依存症対策基本法」が成立しており、本人・家族・医師などにより施設に入場できなくなる「排除プログラム」なども整備されつつあります。 また「自主パトロール」による治安保全や、従業員・取引業者の「バックグラウンドチェック」による反社会的勢力の排除、さらに「学習指導要領」を整備し保健体育で依存症について学習させるなど教育面の対策も進んでいます。
莫大な初期投資額・市民からの訴訟…IR成功への課題は?
果たしてIRは成功するのでしょうか。最後に、成否を分けそうなポイントを見ていきましょう。国際カジノ研究所・木曽崇所長は、IRの初期投資額1兆3000億円を「過剰」だと指摘します。人件費・原材料費の高騰も見込まれる中、運営に無理が生じるのではないかと懸念されています。また、万博の関係者からは、万博期間中のIR工事を止めてほしいという声が上がっていますが、IR側からすると、人件費などのコストを考えると工事延期は避けたいところです。 さらに市民からは、IRの“特別扱い”に対して訴訟が起きています。 ▼液状化対策や土壌汚染対策の土地改良費790億円を市が負担 →事業者優遇は憲法違反として市民らが訴え ▼土地改良期間中、業者は土地を無償で使える →大阪市は月額2億円を請求するよう求め提訴 また、現在動きがあるのは大阪だけですが、国内に3か所までつくることができるIR。誘致を再検討している「北海道」と、再検討する可能性があると木曽所長が話す「千葉」が大阪のライバルになるかもしれません。 (2024年9月10日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)