「彼女が全て」巨人・助っ人左腕の癒しは1歳まな娘 来日初完封目前の降板にも「交代は妥当」
◆日本生命セ・パ交流戦 日本ハム0―2巨人(15日・エスコンフィールド) グリフィンが本来の姿を取り戻した。9回2死一塁からマルティネスに内野安打を許し、来日初完封にあと1死届かず降板したのは心残りだが、パワーピッチングがよみがえった。3月30日の阪神戦(東京D)以来、2か月半ぶりの白星となる2勝目を挙げ、ホッと一息ついた。 【写真】ヴィーナスに囲まれた助っ人左腕は笑顔でポーズ 「勝てたので、それが何よりです。投手コーチやいろんな方の助けがあっての好投がありました。(完封に届かなかったのは)残念ですけど、球数も各打者と4回対戦していることも考えると交代は妥当だった」 日本ハム・金村との投手戦。最速150キロの力強い速球を制球良く両サイドに散らし、変化球もカットボールなどに加え、新たにスライダーとチェンジアップと球種も増やし、的を絞らせなかった。5回無死二塁のピンチを抑えると、6回も2死二塁から水谷をカーブで左飛に封じ、両手を高々と掲げた。来日最長の8回2/3を5安打無失点、9奪三振。阿部監督も「今までにないぐらい一番良かったんじゃないですか」と賛辞の言葉を贈った。 来日2年目は好投が続かず、苦しい時間が続いた。この1週間は杉内、内海両投手コーチに「絶対にやった方がいいよ」と背中を押され、投球時に右足を上げる時間を長くした。「投げ急いだりするようなことがあったから、それで必然的にフォームのバランスが良くなった」。タメができたことに加え、右打者への外角直球の精度を向上させるべく、プレートを踏む位置を三塁側から一塁側へ変更。最善を尽くし、結果を出した。 不調でも、どんな時でも心を和らげてくれるのは1歳のまな娘の存在。「彼女が全て」というほど溺愛しており、「当然1歳だから、良くなかった試合の後でも家に帰ったときに気を使われることはない。いつも一緒にいてくれるのが、すごく救われる」と目尻を下げる。「妻からは皮肉なのか、よく『(娘の)遊び相手』って言われる」と笑うが、走り回るのが好きなまな娘と休日に近所の公園で遊ぶのも大事な時間だ。 ローテ生き残りへ正念場だったが、リーグ戦再開後は左のエース格としての働きも任せろと言わんばかりの113球だった。「いいきっかけになってくれるといい。でも、野球は何が起こるか分からないから」。決して浮かれることがない助っ人左腕が快進撃を見せる。(田中 哲)
報知新聞社