『正直不動産2』倉科カナがルールを破って苦悩する 永瀬と美波の恋にわずかな進展も
花澤(倉科カナ)の心を救った鵤(高橋克典)の言葉
花澤の心を救ったのは鵤の言葉だ。鵤が貸し付けてくれた手付放棄分を自腹で支払うと頭を下げる花澤に、鵤は「仕事で返せ」「お前は不動産屋の営業だ」と言った。花澤はかつて自身を絶望から救ってくれた恩人に再び救われたのだ。花澤のまっすぐな視線からは、誠実さをもって再びNo.1を目指そうとする意思が感じられた。 第7話では道を外れかけた花澤の苦悩が魅力的に描かれたが、美波演じる泉里香の演技にも心惹かれるものがあった。祖母と連絡が取れなくなり不安で落ち着かない様子や、ミネルヴァ不動産にいた祖母を見つけるなり「ばっちゃん!」と声をあげて駆け寄る姿から、美波がおばあちゃんっ子であることがごく自然に感じられた。神木が欠陥住宅の疑いのあるマンションを祖母に売りつけようとしていたと知った時、美波は「わだす、やっぱり男さ見る目あるな」と口にすると、怒りにまかせて神木に手をあげようとする。神木をキッと睨みつける強い表情や神木を叩こうとした時の力強い所作に、祖母を大事に思う気持ちが十二分に表れている。 美波の魅力はおばあちゃんに向ける愛だけではない。美波は永瀬に「大切な人」と言われたことが嬉しく、満面の笑みを浮かべる。凛とした、少し強気な佇まいが印象的な美波だが、顔をほころばせる姿は愛らしかった。正直すぎる永瀬の言葉に、「こんの~ほじなし、すけべじっこがぁ~!」と一度はつかみかかるも、大好きなおばあちゃんから「永瀬さんは美波の運命の人だ」と言われたことで美波の心は決まる。 翌日、永瀬が住む家を訪れた美波は「来ちゃった」と愛らしく微笑んだ後、こう続けた。 「今日から、私ここに住みますので」 「最終選考です」 美波のあまりにも屈託のない笑顔に思わず笑ってしまう。まんざらではない顔を浮かべていた永瀬だが、2人の恋の行方はいかに。
片山香帆