芥川賞作家・西村賢太さんのお墓も倒壊 地蔵堂が崩れ、骨壺が割れ…「早く修復を」願っても
長期化する可能性、石材店からは「お願い」も
壊れたお墓の修復・復旧にかかる時間について、担当者は「2016年の熊本地震では半年から1年かかったところもあったようです。今回は、それ以上かかる可能性もありそうです」と言います。 墓石が倒れたりずれたりした場合、人力のみで元に戻すのは不可能なため、重機や工具類を運び込んで作業する必要があります。 墓地によっては、地震の影響で重機の立ち入りができない状態の場所もあるそうです。 「もし順調に作業できたとしても、1基のお墓を直すのに3~4時間はかかります。1つの石材店が対応できるのは1日3件ほどが限界です」 全優石に加盟している、石川県内のある石材店では、地震発生直後から1日10件ほどのペースでお墓の復旧依頼が寄せられており、作業が追いつかない状態なのだそうです。 全優石の担当者は「『早く直してくれ』『まだ来られないのか』という問い合わせも多く寄せられているようです。こちらも可能な限り急いではいますが、限界があります」と語ります。 「過去の大地震では、多忙によるストレスで体調を崩したり、うつ病になったりする従業員もいました。業界として、同じ事を繰り返すわけにはいかないという思いもあります」 復旧の長期化が予想される中、全優石はホームページなどで、ある「お願い」をしています。 「二次被害を避けるため、修復が終わるまで、なるべくお墓には立ち入らないでいただきたいのです。見た目は無事に見えても、墓石と台石との接着力が低下していたり、地盤自体が傾いていたりして、突然墓石が倒れてくることがあります」 大切な家族が眠る場所を、早く元通りにしたい――。 担当者はその気持ちに理解は示しつつも、「まずは今、生きているみなさまの安全を大事にして欲しいと思います。お墓で眠るご家族も、そう願っているはずです」と話していました。