現役高校生が大学「特命副学長」に 立命館アジア太平洋大学の狙いは?
立命館アジア太平洋大学(APU)(大分県別府市)は、第5代学長として副学長の米山裕(ひろし)氏が2024年1月に就任することが決まり、立命館東京キャンパスで記者会見しました。退任する学長の出口治明氏は、学長特命補佐となります。米山氏は新しい改革のひとつとして、高校生とAPUの在学生から1人ずつ選抜し、「特命副学長」に任命する制度を導入することを発表しました。大学教育を改革するために、若い世代から提言してもらう狙いです。高校生は全国から募集し、25年3月までの任期で活動する予定です。 【写真】元日テレ・桝太一さん、研究者としての日々を語る
高校生特命副学長は、「学びの未来を考える」を活動テーマとして、未来の社会から考えた場合に現状の大学に足りないと思うことや追加したい要素を明らかにすることが役割です。これまでの大学のあり方にとらわれずに、未来の大学の姿を、未来を担う若者と一緒に考えたいという狙いがあります。他大学と比較し、強化したいことや、もっと整備したほうがいいと思うことを提言します。大学に求める教育内容とは何かを、幅広い観点から、若い知恵を集めたいという考えです。 高校生特命副学長は1人ですが、ともに活動する仲間として、「サミットメンバー」を若干名募集します。チームで活動しながら新しい大学の姿を考えていきます。 対象となるのは、24年4月時点で日本国内在住の高校1年生または2年生。教育の未来を考えて、世の中にプラスのインパクトを起こしたいという意思がある人、行動力があって前向きな高校生を求めているということです。募集は24年2月中旬から4月下旬まで。選考を経て、6月から25年3月まで活動します。APUへの入試選考とは関係ありません。 さらに、在校する学生からも1人、在校生特命副学長を選任します。同じように、大学で学びながら感じる、もっと整備したほうがいいと思う改革を提言してもらう予定です。定期的に大学評議会で、活動報告を行います。基本的に高校生とは別に活動する形です。募集時期や活動内容など詳細については、24年2月中旬に大学のホームページに掲載する予定です。 米山新学長は「幅広い年齢層の人たちが関わる大学に変えていきたい。いまの教育にあきたりない高校生たちに、授業にも参加してもらって、大学のあり方そのものについて意見を聞きたいと思っています。全国で探究型学習に取り組んでいるような、とがった高校生にこの制度が響けばいいなと考えています」と話しました。