「大物司会者」に強引な押し売り!?...「ディズニークルー」が「ビリオネア」へと変貌!隠された驚愕の「秘密」
近年注目が集まっているアントレプレナーシップ。「起業家精神」と訳され、高い創造意欲とリスクを恐れぬ姿勢を特徴とするこの考え方は、起業を志す人々のみならず、刻一刻と変化する現代社会を生きるすべてのビジネスパーソンにとって有益な道標である。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 本連載では、米国の起業家教育ナンバーワン大学で現在も教鞭をとる著者が思考と経験を綴った『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』(山川恭弘著)より抜粋して、ビジネスパーソンに”必携”の思考法をお届けする。 『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』連載第33回 『人生最大の「黒歴史」が人生を支える「よもやま話」に:interrobang:...どの分野でも成功する考え方の「大転換」』より続く
私の人生じゃない!
27歳で補正下着ブランドSpanxを立ち上げ、その14年後にはフォーブス誌で史上最年少のセルフメイド女性ビリオネアとしてランクインした、サラ・ブレイクリー氏がいます。 彼女がSpanxを立ち上げる前、ファックスなどの事務機器の訪問販売をしていたことは有名です。 それ以前は、父の仕事だった弁護士に憧れ、弁護士試験を受けるものの2度も落ちて弁護士の道を断念。ディズニーランドで働きますが、グーフィーの着ぐるみに入りたかったのに、身長不足で乗り物の案内係に配属。 当時のことをサラは次のように述べています。 「私はきっと間違った映画に出演しているんだわ。なんでこんなことが起こったの?こんなの私の人生じゃないでしょ?」なんて思っていたのを思い出します。 「監督を呼んで、プロデューサーも呼んで。カット。こんなの違う」と大声で叫んでいました。 ――CNN Moneyより これだけ思うように人生が運ばなければ、卑屈になってしまうかもしれません。しかし、サラは土台が違いました。素晴らしい父の教えがあったのです。
本当の失敗とは、挑戦しないことだ
子供の頃、父はよく私と弟に「今日はどんな失敗をした?」と聞いてきた。おもしろい質問だなと思っていた。 そして、父は私たちの失敗を歓迎したの。1週間、失敗することがなければ、父はとてもがっかりしていた。 私はよく「パパ!これをやってみたけど、全然できなかったよ」と話した。すると父は私にハイタッチして、「よくやったね!」と言ってくれました。 ――Business Insider Japanより 失敗したことを褒め、むしろ失敗しなかったこと、挑戦しなかったことを残念がっていた父の教えが染みついていたのでしょう。 サラは、失敗の経験を生かして、起業したのです。ディズニーランドで働いていたとき、白いパンツに下着が透けて嫌だったことから補正下着を思いつき、ファックスの営業で断られることに慣れきっていたサラは、ダメ元で大物テレビ司会者に商品を送りつけて強引に売り込みます。 その司会者はサラの生み出したSpanxを絶賛し、全米にその商品が知られるようになったのです。 まさにシンデレラ・ストーリーですが、これは運によるものではなく、「失敗を恐れず、挑戦した」からこその成功なのです。 『「ミスをするな」で減るのは「報告数」だけだった...「保守的な」会社で同じミスが「頻発する」納得のワケ』へ続く
山川 恭弘