【口コミ拡散中】侍が現代の時代劇撮影所にタイムスリップ→斬られ役に 「侍タイムスリッパー」初日舞台挨拶レポート
「侍タイムスリッパー」の初日舞台挨拶が8月17日、東京・池袋シネマ・ロサで行われ、山口馬木也、冨家ノリマサ、沙倉ゆうの、庄野﨑謙、井上肇、安藤彰則、安田淳一監督が登壇した。 本作は、普段は米農家でもある安田監督が脚本も手がけ、自主制作作品でありながら、東映京都撮影所の特別協力によって完成させた。現代の時代劇撮影所にタイムスリップした幕末の侍が時代劇の斬られ役として奮闘する姿を描き、SNSでは「笑えて泣ける大傑作」「エンドロール入った瞬間に待ちきれずに拍手が起きた」など、熱い口コミが拡散されている。 安田監督は満席となった客席を見渡し「お客さんが来てくださるか本当に心配だった。自主映画で時代劇ということで撮影がしっちゃかめっちゃかだったけれど、みなさんの力で育てていただければ」と安堵の表情で挨拶。 タイムスリップする侍・⾼坂新左衛⾨を演じた主演の山口は「エンドロールが終わって、裏にまでお客さんの拍手が聞こえてきて感無量でございます。言葉にできません。シネマ・ロサというインディーズ映画のパワースポットみたいな映画館で初日を迎えられて本当に幸せだなと思っております」と喜びを嚙みしめる。 ライバル役の冨家は、劇中での好きなセリフを挙げ「“一生懸命やっていればどこかで誰かが見ていてくれる”で。いつもこの言葉を心に刻みながら役者をやっているんです。今日のみなさんがまさにこのセリフのとおりで。感無量です」と思いの丈を述べる。 また、助監督役の沙倉は「たくさんの人に支えてもらってこの作品ができて。シネマ・ロサさんで上映が決まったときもみんなが自分のことのように喜んでくれて……本当に幸せでした」と涙に声を詰まらせると、隣にいる山口が感極まってもらい泣きをしていた。 本作は、カナダ・モントリオールで行われた「第28回ファンタジア国際映画祭」のシュバル・ノワール・コンペティション部門に選出され、観客賞金賞を受賞したばかり。安田監督が「北米最大のジャンル系映画祭と言われていて、観客動員数は10万人を超えるんです。観客賞金賞をいただきました!」と報告すると、客席からは大きな拍手が起こった。 同映画祭に参加した山口は「海外の方のリアクションは非常に大きいんです。時代劇がわかってもらえるかドキドキしていたんですが、上映後に挨拶をしたときにスタンディングオベーションが起きて。僕は大号泣してしまったんです」と振り返っていた。 最後の挨拶では、安田監督が「この作品の構成は『蒲田行進曲』、ギミックは『マトリックス』、目指したところは『カメラを止めるな!』でございます。キャスト陣には光があたって、僕はコストが回収できればそれでいいんです」と笑いを誘いながら締めくくった。