「昨日の夜10時から並んでいます」…!外国人が日本各地の「運転免許試験場」に殺到しているワケ
徹夜までして日本の免許を求めるワケ
「自分は昨日の夜10時から並んでいます。友人から早く行ったほうがいいとアドバイスされて。おかげで一番に入れます」 【画像】すごい…!椅子を持ち込み"重装備"で徹夜する人も… 秋も深まったある日、冷たい雨が降る朝5時の東京・府中運転免許試験場の入り口前には外国人が長蛇の列を作っていた。取材に応じたスリランカ人男性を先頭に、中国人やインドネシア人など30人はいるだろうか。なかにはキャンプ用の椅子を持ち込み、仮眠を取る者までいる。別の日に訪れた鮫洲(さめず)運転免許試験場(品川区)は開門前から60~70人が並んでいた。 外国人が日本の免許を求め、徹夜までして大挙する理由とは何なのか――。 「彼らの目的は、自国免許から日本の免許への″切り替え″です。この『外免切替』制度の適用を受けるために日本各地で外国人が殺到中です。たとえば神奈川県警察運転免許センターや大阪府の門真運転免許試験場は、学科試験の予約が4ヵ月待ちだといいます」(自動車生活ジャーナリストの加藤久美子氏) 外免切替は学科試験と技能試験の二つからなる。昨夏以降、取得条件が徐々に緩和され、対応言語も都内の試験場では5言語から24言語に増えた。外国人労働者増加を狙っての施策だが、課題もある。 「まず学科試験が簡単すぎます。二択問題の10問だけで7問正解すれば合格です。これで交通法規に加えて運転マナーなど必要な知識を網羅できるのか。試験の容易さからか、昨夏には中国の若者の間で、いかに早く日本の免許を取れるかチャレンジする動画が流行ったほどです。 ほかにも強制退去の対象となり、仮放免中となっているクルド人でも切り替えができます。日本に住民登録がなくても、ホテルで一時滞在証明書を発行してもらえば、その住所で申請できるからです。外国人殺到を受け、府中試験場では11月1日から予約制を導入しましたが、改善点はほかにあるでしょう」(加藤氏) 実際に外国人による交通事故は増加傾向にある。なかでも中国人による事故は顕著で、昨年はコロナ以降最多となる1571件が発生した。今年9月には埼玉県で18歳の中国人青年が飲酒運転の末に時速100㎞以上で道路を逆走。50代の日本人男性を死亡させる事故が起きている。 さらに、日本の免許を″踏み台″に利用する外国人も増えているという。 「たとえば中国はジュネーブ条約などの国際的な交通条約に加盟しておらず、中国の免許で運転できる国は少ない。でも、日本の免許に替えて日本で国際免許を取れば約100ヵ国で運転できます」(加藤氏) 時代の急速な変化に合わせ、制度も見直しを迫られているのかもしれない。 『FRIDAY』2024年12月6日号より
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