【函館スプリントS】前走GⅠ組は単勝回収率202% 高松宮記念組ビッグシーザーの巻き返しに期待
血統解説:キミワクイーン、ビッグシーザー
・キミワクイーン 日本での牝祖は3代母フォレストゾーン。この牝系は日本に入ってきてからあまり実績を残せておらず、代表馬は本馬かフォレストゾーンの直仔で10年スイートピーS2着のニーマルオトメくらいだ。 母チェリーペトルズはダイワメジャー×サクラバクシンオーという組み合わせで父らしいトモと母父のスピードを武器にJRA芝スプリント戦で2勝。本馬は父がロードカナロアだが母を強く引き出していて、母の柔らかさを足したような馬に出た。母と違って馬格はないが、パワーはしっかり受け継いでいて、洋芝はぴったりの舞台といっていい。 昨年の函館スプリントSを勝利してから重賞で好走できていないが、開幕週かつ洋芝はおそらく本馬にとって最高の条件だろう。先行力もあるので好発を決めれば昨年同様、上位争いも可能だ。 ・ビッグシーザー 日本での牝祖は母アンナペレンナ。3代母バイユーストームの産駒も日本で走っていて、佐賀記念を勝利したメテオロロジストと同じファミリー。母は現役時ダートの中距離でJRA3勝をあげた実績馬で、全弟のビッグドリームも3歳馬ながら既にJRA2勝をあげている。 元々アメリカで繋がってきたファミリーであったことや、母がStorm Catの3×3を持っているため、パワーと一定ラップで走る能力に優れた馬だ。父にビッグアーサーを迎えたことでスピード性能と芝適性を獲得し芝のスプリンターに出ている。函館競馬場では初めての競馬となるがスピードには全く問題ないし、血統面から考えて洋芝もこなせるだろう。あとはどれだけ前半が流れてくれるかだ。
Cアナライズではビッグシーザーを推奨
今回はビッグシーザーを推奨する。モルガナイトS勝ちのアサカラキング、春雷S勝ちのサトノレーヴ、鞍馬S勝ちのジャスティンスカイと、ビッグシーザー以外の上位人気が予想される馬はいずれもOPクラスのレースを勝利して勢いに乗る馬。ただ、データ的にはそういったタイプよりGⅠで跳ね返されて相手弱化となる馬の方が好走する傾向がある。 また、ビッグシーザーは血統的に函館競馬場への不安はなく、重賞初制覇の可能性は十分にある。前走の内容を考えても地力面で上位なのは明らかだ。その他、穴で名前を挙げておきたいのがキミワクイーン。近走はあまり成績が伴っていないが昨年の勝ち馬。本馬にとって最も適性が合うのがこの函館スプリントSだ。人気がなくても抑えておく必要はあるだろう。 【ライタープロフィール】 貴シンジ 競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか「競馬王」など商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。
貴シンジ