西島秀俊“史朗”と内野聖陽“賢二”の愛に満ちた理想のカップルぶりに涙が込み上げてくる<きのう何食べた? season2>
西島秀俊と内野聖陽のダブル主演でドラマ化され話題となった「きのう何食べた?」の続編となる「きのう何食べた? season2」(毎週金曜深夜0:12-0:52、テレビ東京系)の第5話が11月3日に放送され、元カレ・伸彦(及川光博)に比べて、賢二(内野)の愛が深いことをを実感する史朗(西島)が描かれた。彼らが理想のカップルに感じられて、温かい涙が込み上げてきた。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】猫のかぼすちゃんを抱きかかえながらソファでくつろぐ伸彦(及川光博) ■「きのう何食べた?」とは 同ドラマは、シリーズ累計945万部(電子版を含む)突破のよしながふみによる同名漫画を原作に、2LDKのマンションで同居する、料理上手で几帳面かつ倹約家の弁護士・筧史朗(通称・シロさん)と、その恋人で人当たりの良い美容師・矢吹賢二(通称・ケンジ)の毎日の食を通して浮かび上がる、男性2人暮らしの人生の機微を描く物語。 ほろ苦くて温かな2人の日々をリアルに描き、2019年4月クールに放送された「season1」では、Twitterの世界トレンド1位、見逃し配信の再生数は全12話100万回超えを記録。 さらに、「第16回コンフィデンスアワード・ドラマ賞」「第101回ザテレビジョンドラマアカデミー賞」で最優秀作品賞を受賞するなど、深夜ドラマ枠としては異例の記録を次々と樹立した。その後、2020年元日には正月スペシャルドラマを放送。2021年には映画化もされ、興行収入14.1億円の大ヒットとなった。 そんなファン待望のseason2は、アラフィフに突入した史朗と賢二の日常が描かれる。今までと変わらないゆっくりとした日常の中に訪れるちょっとした変化。生きていれば誰もが経験する環境の変化や身体的・精神的な変化を史朗と賢二も経験していく。 ■史朗が夕食に使おうと思ったたまねぎが見当たらず… 一緒に暮らし、幸せな食卓を囲み、和やかなときを過ごしている恋人同士の史朗と賢二。 年末に仕事が立て込んで帰りが遅くなった史朗。うちに帰ると賢二が洗濯物を畳んで、ご飯を炊いていてくれた。すぐに晩御飯の支度をしようとした史朗は洗濯機に新しいホースがかかっているのを見つける。洗濯機の排水口が詰まったときの応急処置として賢二がホームセンターで買ってきていたのだった。「これで安心だよ。ありがとうな、賢二」と史朗は喜ぶ。 親子丼を作ろうとした史朗は冷蔵庫を開けて「え?」と言って探し始める。「玉ねぎがない」と言う史朗に、「あ!ごめん、今日、お昼に…」と言いにくそうに言う賢二。「でも、2つ残ってただろ」と史朗が言うと「1個切ったら中が傷んでてそれで…シロさん、ごめん」と賢二は申し訳無さそうに言う。 ■思いもかけぬ賢二の言動に、史朗は元カレとの過去を思い出す 史朗は怒らずにいいよと堪えて、思い切って唐揚げにするかと提案する。しかし、賢二は「いいよ、今から揚げ物なんて大変だよ。シロさんお仕事で疲れてるのに。買ってくるよ、玉ねぎ、駅の向こうのスーパーならまだ開いてるから。たまにしか料理しないダンナさんに使う予定だった食材使われちゃうの、ほんとストレスって、俺お客さんからさんざん聞かされてたのに。ほんとごめんね。すぐ戻ってくるからシロさんほかの準備してて。行ってきまーす」とシロさんに反論する隙を与えずにまくしたてると、賢二はさっそうと出かけて行ってしまう。 その後姿を見ながら史朗は元カレ・伸彦との過去を思い出す。伸彦は史朗が夕食に使おうと解凍していたモモ肉を使って食べうえに後片付けもせず、挙げ句に「食費の半分は俺も払ってるんだ。自分も金出してる食材を食うのになんでいちいちお前の許可を取らなきゃいけねーの?」と平然と宣うのだった。 思い出して目に涙を浮かべてしまう史朗。部屋を見ると賢二が畳んでくれた洗濯物や洗濯機のホースなど、知らないうちに賢二の愛がそこかしこに満ちている。史朗は「そっか、今、俺幸せなんだ」と実感して苦笑しながら「あいつ、全っ然タイプじゃないんだけどな」と思う。そして、目に涙を浮かべたまま「鶏モモ、2枚使ってやるか」と独り言を言って笑うのだった。 全然タイプじゃなくても愛情たっぷりの賢二と、それをしっかりと受け止めている史朗。これこそ理想のカップルだと思えて、こちらも温かい涙が込み上げてきた。 ◆構成・文=牧島史佳