大統領選、野党党首が当選 スリランカ、現職敗北
【コロンボ共同】21日投票のスリランカ大統領選で、選挙管理委員会は22日夜、野党・人民解放戦線(JVP)から立候補したディサナヤカ党首(55)が当選したと発表した。ウィクラマシンハ大統領(75)は敗北を認めた。2年前に政権崩壊につながった経済危機からの再生が最大の課題となる。就任式は23日に開かれる予定。 スリランカは中国などから借り入れた多額の資金返済に窮し、2022年にデフォルト(債務不履行)状態に陥った。選挙戦ではウィクラマシンハ氏が進めてきた経済再建策の是非が最大の争点となった。 ウィクラマシンハ氏は22年、市民の抗議行動の激化でラジャパクサ前大統領が退陣した後、議会の選出で就任。国際通貨基金(IMF)から30億ドル(約4320億円)の支援を取り付け、緊縮財政を進めたが、増税で国民の生活負担は増した。 主要債権国の日本はスリランカの債務再編を後押しし、今年7月には一時停止していたスリランカへの円借款事業を再開させると発表した。新政権の経済政策によっては債務再編に影響が及ぶ可能性もある。