「幼少期に苦しんだ人」がいつも問題を繰り返してしまう理由…トラウマとうまく付き合う方法
「相手に思ったことが言えない」 「がんばっているのに成果がでない」 あなたがなかなか解決できない、いつも問題を繰り返してしまうことは、心の中に住む「もうひとりのあなた」が引き起こしています。 【写真】「仕事速いね!」と言われる人が意識している、たった3つのコツ その「心の防衛機構」を「ナイト(騎士)くん」と名付け、誰かに頼るのではなく、あなたがあなた自身を助けることができる方法をお伝えしている『わたしが「わたし」を助けに行こう―自分を救う心理学』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成してお届けします。
多くのナイトくんが幼少期に誕生する理由
ナイトくんが誕生するのは多くが幼少期。 子どもの頃です。 大人になってから誕生するナイトくんもいますが、その多くが幼少期に誕生したナイトくんと関連している場合がほとんどです。 多くのナイトくんは、幼少期からあなたの心を守るために誕生しています。 ナイトくんの誕生のきっかけになる出来事は、「幼いながらも、自分でなんとかするしかなかった」経験をしたときです。 特に、子どもの頃から次のような状況ではナイトくんたちがたくさん誕生しています。 ●家庭の問題や養育者(主に親)との関係で苦しんできた人 ●親の心身の問題から、親の感情面のお世話をしなければいけなかった人 ●養育者(主に親)や周囲の大人に頼れる環境になく、悲しみや苦しみ、孤独感をひとりで抱え込み、つらく寂しい思いをしながらもがまんしてきた人 これは毒親、ネグレクト、機能不全家庭といった極端な状況の家庭や両親の元で育った人だけの話ではありません。 ちゃんと身の回りの世話をしてもらった人でも、普通に育ててもらった人でも、次のような、ともすればよくあるストーリーの中でもナイトくんは誕生します。 ●家族の悪口を他の家族からいつも聞かされていた(例:母から父や祖父母の愚痴をいつも聞いていたなど) ●家族の仲が悪かった ●家庭の雰囲気が暗かったり、ギスギスしたりしていた ●親が不安定なので親の機嫌をいつも気にしては顔色をうかがっていた ●過干渉だった ●完全に放任だった ●自分の進路を厳しく決められた ●いつも親の期待に応えようと必死だった ●きょうだいとうまくいかなかった ●きょうだい間で親の態度に差があった ●お金の問題で家族がいつももめていた ●親の離婚や死別の経験がある ●親が病気や、ひとり親などで家庭の状況から親や養育者を支えてきた それぞれの家庭の事情がありますし、完璧な家庭は存在しません。親は親なりによくやってくれた、とわかっている方もいらっしゃると思います。