弁護士の半数超が「カスハラ被害」を経験「思い通りにならない相談結果に逆上」「一方的に減額要求された」
●内容最多は「暴言を吐く」
依頼者や相談者からのカスハラ経験者に、その内容について複数回答可とした上で尋ねたところ、「暴言を吐く」が68.9%と最も多く、次いで「些細なミスで過度な対応(費用の減額など)を要求する」が51.5%、「面談などで長時間拘束する」が34.7%、「口コミサイトやSNSに誹謗中傷を投稿する」が27.5%、「不当な懲戒請求」が19.8%などとなりました。 自由回答では、「思い通りにならない相談結果に逆上し、机を叩いて立ち上がり、渡した名刺を破り捨てられた」「一方的に解約して減額を要求してきたり、費用を支払わない」「委任契約書に明記されていないことを「約束したはず」と言い張ってきかない」などの経験をしている人がいました。 一方で、「カスタマーハラスメント禁止条項を作成して、サインしていただけない方の依頼は基本的にお断りしている」と、しっかりと事前に対策して相談に臨んでいる人もいました。
●「弁護士に相談しやすい環境整備が必要」「不当な要求などには決して屈しない」
自由回答で、カスハラ対策について聞きました。以下のようなものです。 【企業の意識改革や対策強化】 「不当な要求などには決して屈しない」 「ハラスメントを受けた事業所がもっと強気に対抗していくのが本質的な解決になる」 「カスハラへの法的手段の基準を明確化して、その基準に抵触した場合は、採算度外視で法的手段を取るべき」 【弁護士の介入】 「弁護士に相談しやすい環境整備が必要」 【法整備】 「威力あるいは偽計業務妨害罪としての通報体制を整える」 「見せしめとしての意味も込めて、法的対応まですべき」 「録音、録画したものを国に提出すれば、国又は地方公共団体が審査し、本当に悪質なカスタマーに対しては、罰則を科す」 【基準の策定】 「何がカスハラなのか判断が難しいので、通常の苦情が抑止されないように明確な基準を設ける必要があると思われる」 「カスハラの認定基準とカスハラ発生時の対応策を具体的に策定しておく必要がある」 【警察の介入】 「悪質なカスハラについては警察が対応すべき」 「迷惑行為防止条例などを活用して、警察が立件して、悪質な客は現行犯逮捕する」 「警察の取り締まりを強化すべき」 【社会全体の意識改革】 「事業者ができることには限度があることを社会が共有し、徐々に変わっていくのが良い」 「国民の倫理観、道徳観をあげる」 「世論形成と、企業がカスハラに対して厳正な対応をとる」