弁護士の半数超が「カスハラ被害」を経験「思い通りにならない相談結果に逆上」「一方的に減額要求された」
●カスハラ対策は「悪質な客に対して、企業が実際に法的手段をとる」が65.6%と最多
カスハラをなくすために何が必要かを複数回答可とした上で尋ねたところ、「悪質な客に対して、企業が実際に法的手段をとる」が65.6%と最も多く、次いで「悪質な客に対して、警察がきちんと対応する」が58.9%と、顧客に対して厳しい対応を求める声が多くありました。
●弁護士の4割以上はカスハラ相談に対応
実際に顧問先の企業などから、カスハラについての法律相談を受ける機会があるかを尋ねたところ、「よくある」が5.7%、「たまにある」が38.1%と4割超となりました。
●カスハラ相談は「加害者への対応(法的措置を含まない)」が77.1%と最多
カスハラの相談が「ある」と回答した人に、その内容を複数回答可とした上で尋ねたところ、「加害者への対応(法的措置を含まない)」が77.1%と最多となったほか、「加害者への対応(損害賠償請求や刑事告訴など、法的措置を含む)」が47.3%、「被害に遭った従業員への対応」が31.3%、「社内のカスハラ防止体制の整備」が19.8%などとなりました。 弁護士への相談は、被害者への対応や対策よりも、理不尽な要求をしてくる加害者への対応で、法的措置を含まないものが多いことがわかりました。 特に印象に残っている相談について自由回答では、「顧問先の結婚式場で、新婦の母が太って見えるので、写真を取り直すよう要求された」「釣り銭の渡し方が悪いと謝罪文の提出を求められた」「不当な支払いだと約10年前のカード利用明細の返金を求められた」など、ごく最近の接客や対応についての理不尽な要求だけでなく、過去に遡って言いがかりをつけるなどの迷惑行為もありました。
●弁護士の約半数が過去3年間の相談数が「増えている」と回答
カスハラの相談が「ある」と回答した人に、この3年間で、カスハラの相談は増えているか尋ねたところ、ほぼ同率ですが「変わらない」が52.7%とやや上回りました。「減っている」という回答はありませんでした。
●半数以上の弁護士が、依頼者などからのカスハラを経験
依頼者や相談者から、カスハラだと感じる言動・行動を受けたことがあるかを尋ねたところ、「よくある」が7.0%、「たまにある」が48.8%と、5割超がカスハラ被害に遭った経験があることがわかりました。