「悔しい」「腹立たしい」それでも大好きな“ノボリさん”とのC大阪戦に脇坂泰斗が感じた不思議な感覚
チームは苦しい2連敗
[J1第8節]C大阪 1-0 川崎/4月13日/ヨドコウ桜スタジアム 敵地でC大阪に0-1で敗れた川崎は、前節の町田戦(●0-1)に続く連敗で、順位は16位に後退した。 【動画】C大阪×川崎戦のハイライト 試合後、今季からキャプテンに就任した脇坂泰斗は厳しい表情を浮かべながら「改善点が多いゲームだったと思います」と振り返る。 2試合連続の完封負け。 「どう攻めるかというところだと思うので、そこを合わせないとチグハグな攻撃になってしまう。そこはやり続けていくしかないと思います。 自分はたとえ厳しいボールが入っても、マイボールにしなくちゃいけないですし、そういったところも今日はできなかったので、もっともっと個人としての質を上げていくしかないです」 苦しい状況にあるなか、C大阪戦では、今季川崎から移籍した左SB登里享平との初対戦も迎えた。 脇坂にとって登里は長年川崎を支えてきた偉大な先輩であり、ピッチ外でもお世話になった恩人でもある。 それだけ思い入れのある存在なだけに、感情に流されないよう、FW小林悠らと同じく、できるだけ言葉を交わさないように試合に臨んだという。 もっともそこは、登里が一枚上手であったようだ。 「ノビノビやらせないように頑張ったんですが、要所要所で嫌なところで受けられましたし、悔しいです」 そして脇坂は敗戦を受け止めながら、先輩に改めてリスペクトを向けた。 「(試合に臨むにあたって)僕も(ノボリさんと)話さないようにしようと思っていました。やっぱりピッチ外でも特別な存在であったので。それでも近寄って来て、改めて対面すると、寂しい気持ちにもなりました。それにゲーム中も話しかけてくるなど、ある意味、乱されたというか、腹立たしいというか、さすがという面がありました。次は負けないようにしたいです」 一方で試合後、登里は脇坂に対して「嫌なポジションを取り続けようとしていた」と語っていたのも印象深い。 改めて登里のプレーは、脇坂にとって貴重な見本となったはず。このゲームで学んだことを次に生かしたい。 取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)