ロッテレジェンド歴史を回顧 倉持明氏「抑えたときのうれしさは人一倍」 ファンの熱量は12球団で一番
ロッテで1980年にリーグ最多の18セーブを挙げた倉持明氏(71)が当時のチーム状況を回顧。現在のチームとの違いなどを語った。 【写真】開場前からにぎわう開幕戦のZOZOマリンスタジアム 歴史を積み重ねて、1万試合までいったのはうれしい限り。今もロッテの試合をよく見るが、時代が変わっても変わらないものがあると感じる。ファンの熱量だ。12球団を見渡しても一番じゃないかと思う大声援は昔から。川崎球場で投げていた当時は内野席で応援をするのが主流だったが、サッカーのような応援スタイルで、太鼓の音とともによく声が伝わってきた。 川崎球場のロッカーは環境がひどくて、雨漏りしている箇所だらけ。マウンドも土が軟らかくて、試合が進むにつれてひどくなっていった。九回、足を踏み込んだら、土にくるぶしまで埋まってしまうのではないかと思うほど。そんなことに負けてたまるかと投げていたのが懐かしい。 大変なことも多かった分、抑えたときのうれしさは人一倍。抑えとして試合を締めると自然とガッツポーズが出た。いま思うと、投手が感情を表に出すのは川崎球場で試合を行っていた頃から始まったのではないかと思う。「優しい顔をしすぎている」と言われ、ひげ(口ひげ)を生やし始めたのもいい思い出。今の選手たちと比べるとだいぶ闘争心がむき出しだった。 厳しいようだが、優勝するには打撃陣を中心に選手が一皮むける必要があると感じる。監督、コーチ、選手が一丸となって殻を破ってほしい。 ■倉持 明(くらもち・あきら) 1952(昭和27)年7月20日生まれ、71歳。神奈川県出身。横浜一商高(現横浜商大高)から日本鋼管を経て72年ドラフト4位でロッテ入団。77年クラウン(現西武)へ移籍。79年ロッテに復帰しリリーフに転向。翌80年にリーグ最多の18セーブを挙げた。83年にヤクルトでプレーし、同年現役引退。通算成績は206試合で17勝20敗40セーブ、防御率3.40。引退後は解説者を務める。右投げ右打ち。娘は元AKB48でタレントの倉持明日香(34)。