韓国・フードテックが取り組む「コーヒーのかすからパン」「植物性ヨーグルト」
【09月19日 KOREA WAVE】食品技術が進化し、新たな食材が次々と登場している。韓国の革新的なフードテック企業が注目を集める中、海外でも「空気タンパク質」や「牛乳を使わないバター」など、想像を超える新しい食材が続々と出現している。 シンガポールでは、韓国の秋夕(チュソク)にあたる中秋節に特別なベーカリー商品が登場した。フィンランドのスタートアップ「ソーラーフード」が「空気タンパク質」と呼ばれるソレイン(Solein)を使って作ったものだ。中華圏で親しまれている月餅にも、この革新的な技術で作られた材料が使われている。 ソレインは微生物を利用して作られるタンパク質で、ソーラーフードは2017年にフィンランド国立科学研究所出身の研究者によって設立された。特定の微生物に二酸化炭素などを供給すると、微生物がタンパク質を生成する。このプロセスにより、「空気タンパク質」とも呼ばれる。 ソレインは乾燥した黄色い粉末で、乾燥大豆粉に似ている。大豆ミートのように、植物性の材料を使った代替肉などに応用可能だ。ソーラーフードは日本の食品大手「味の素」と協力し、月餅やアイスクリームサンドウィッチを発売する予定で、まずはシンガポールの百貨店や味の素の店舗に登場する見込みだ。 一方、米国のスタートアップ「セイバー」は、牛乳を使わずに水素と二酸化炭素のみでバターを作ることに成功した。バターは牛乳の脂肪を固めたものだが、セイバーは脂肪が水素と炭素の分子鎖で構成されている点に着目し、分子構造を再現することで牛乳を使わずにバターを生産した。 この技術により、環境に優しい「牛乳を使わないバター」が開発され、ビル・ゲイツ氏も注目している。セイバーは、2025年までにこのバターの販売を開始する予定だ。 韓国でも、フードテックスタートアップが活発に活動している。アーバンラボスは、コーヒー抽出後に残る「コーヒーかす」を原料にタンパク質を生産し、それをパンやチョコレートに再生する。また、スウィートデオは植物性ヨーグルトの開発に取り組んでいる。 フードアップサイクルに取り組むリハーベストは、食品加工時に生じる麦のかすやふすまを原料に「リナジーパウダー」を作り、さまざまな食品や非食品に利用している。リハーベストは韓国食品研究院と共同で、フードアップサイクルに関する研究を進めている。 農林畜産食品省もフードテックの10大技術を選定し、研究開発を支援している。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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