「成長できるチャンスだと思って、やっていくしかない」

　ブライトンが目指しているのは、欧州カップ戦への返り咲きだ。昨季、クラブ史上初めて経験した舞台への復帰を最大の目標とし、三笘本人もそのことを口にしてきた。出場権を獲得するためには、現時点でズルズルと順位を落とすわけにはいかない。だからこそ、必死に考えて、自分がチームに最も貢献できるプレーをするように努めている。 　この試合ではそれが特に顕著で、積極プレーが光った。監督からの特別な指示があったのかを聞かれた彼は「何もないですよ、そういったところは」と明かし、次のように続けた。 「５試合結果が出ないところで、自分自身で考えたりもしていましたし。自分自身を見つめ直したり、チームとしてやりたいことと自分がやらなければいけないことの区別は難しかったところはあった。良くも悪くも結果が最終的な判断になると思うので」 「サイドのほうが強みはあると思うので、そこを出すことによって、真ん中に入りすぎるとスペースもちょっと。フォワード自体も動きずらいところもあると思ったので。毎回ではないですけど、考えながらやっています。監督が求めることもありますし」 「前回の試合もチームのところのやるべきことやった上でも、なかなか自分のところの長所も出せなかった。毎試合いろんな思考をしながら試合してますけど、本当に何が正解かわかんないです」 　 　結果はついてこなかった。それでも三笘は前を向く。 「まあ、結果が出ないと一人ひとりが他のところに目線が行ったり、自分自身に向き合えきれないとかあると思うんですけど、まあ、そういう時は逆にチャンスだと思いますし、成長できるチャンスだと思って、やっていくしかないと思いますね。結果が出るまでは」 　 　果たして、今晩行われる前半戦最終試合のアストン・ビラ戦で、ブライトンは勝ち方を思い出し、是が非でも欲しい勝点３を奪い取れるのだろうか。注目したい。 取材・文●松澤浩三