<春に挑む・’22センバツ大分舞鶴>ベンチ入り18選手の横顔紹介/上 全部員の願い胸に /大分
第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)で、21世紀枠に選ばれた大分舞鶴は、春夏通じて初の甲子園に挑む。全部員の代表としてベンチ入りし、夢舞台での活躍を誓う18人の横顔を紹介する。【辻本知大】 ◇執念の投球見せたい 奥本翼投手(2年) 前チームでもメンバー入りした最速139キロの右腕。冬の練習を乗り超えて制球力も上がった。「コントロールが甘くなると強豪校には通用しない。制球力に磨きをかけ、大会に臨みたい」と気合十分だ。 印象に残る試合は、昨秋の県予選準々決勝。大分商を相手に、九回裏2死から逆転サヨナラ勝ちした。「チームの粘り強さ、勝利への執念を感じた。甲子園でも部員みんなの思いを胸に執念の投球を見せたい」 ◇強肩、勝負強い打撃 青柳琥太郎捕手(2年) チームの扇の要。タイプの違う4投手を率い、連係プレーなど細やかな指示を出す。チーム1、2位を争う強肩の持ち主で、遠投は108メートル。「相手打者との駆け引きや盗塁の阻止に捕手の魅力を感じる」と話す。 昨秋の九州地区大会県予選の準々決勝では、逆転のきっかけとなる適時二塁打を放った。2月の紅白戦でも安打を量産し、調子は万全だ。甲子園でも「勝負強い打撃で勝利に貢献したい」と、素振りを続ける。 ◇ピンチ時こそ明るく 甲斐京司朗主将(2年) 部員の投票で満場一致で主将に選ばれた。「ピンチな時ほどうるさく、明るく声を出し、チャンスの時にはさらに盛り上げる」のがモットー。グラウンド外でも明るい、ムードメーカーだ。 入部当初は体がぽっちゃりしていたが、前チームの4番打者、小倉直樹さん(3年)に筋トレの楽しさを教わり、体を鍛え直した。九州地区大会で敗れた大島(鹿児島)と大舞台で再戦することを望み「リベンジしたい」と意気込んでいる。 ◇俊足、チーム1の打者 都甲陽希二塁手(2年) 昨秋の打率は4割5分2厘と大当たりだった。仲間たちも一目置くチーム1の打者。球に逆らわずに打ち分けられるのが持ち味だ。50メートル走は6・2秒の俊足で、エンドランやセーフティーバントなど足を絡めた攻撃もできる。 入部してから筋トレや栄養バランスの取れた食事にも取り組み、体重は10キロ以上増えた。「大分舞鶴は良い投手が多い。だからこそ自分は積極的に打っていき、チームを引っ張りたい」 ◇頭使った攻撃仕掛ける 田中洸太郎三塁手(2年) 「考える野球」がモットーだ。50メートル走で6・5秒の俊足を生かし、セーフティーバントや盗塁、走塁など頭を使った攻撃を仕掛ける。「自分の特徴を生かすために、頭を使い、相手の嫌がるプレーをしたい」 野球経験者の父の影響で、小学3年で野球を始めた。どんなに練習がきつくても、試合で勝てば楽しさが上回る。球に逆らわないバッティングを心がける。「自分らしいプレーでベストを尽くしたい」と意気込む。 ◇堅実な守備心掛ける 後藤駿太遊撃手(1年) 昨秋の九州地区大会の大島(鹿児島)戦。再試合を含め2日間で、粘りの大分舞鶴を示すことができたが、強豪校との力の差を知った。「あの敗北があったからこそ、ハードな冬の練習を頑張れた」と振り返る。 遊撃手として心掛けるのは「堅実な守備」だ。ダイナミックなプレーはできないが、正確な守りで、強い打球が来てもきちんと捕る。「自分らしくはつらつとしたプレーで、守りからチームのリズムを作りたい」