「すぐ来い」「頭悪い」…カスハラには毅然と対応 札幌市、対策に本腰 除雪担当職員ら研修
札幌市は、市民らが職員に理不尽な要求や威圧的な言動をする迷惑行為「カスタマーハラスメント(カスハラ)」について対策を強化している。7日には市の幹部職員向けと、除雪業務を取り仕切る市の土木センター職員ら向けの二つの研修会を開催した。9月には対策基本方針を策定。市民からは除排雪の苦情が特に多いため、降雪が本格化する月内に対応マニュアルを配布する。 【動画】一足早くクリスマス サッポロファクトリーに巨大クリスマスツリー点灯 7日に西区土木センターで開いた研修には、土木センターの市職員と、除雪業者の従業員計20人が参加。2人1組で電話で苦情を言う役と対応役に分かれ、昨夜の除雪で玄関前に大量の雪が置かれたままという苦情への受け答えを練習した。対応役の職員らは「除雪でできた雪山の処理は各家庭にご協力をお願いしています」などと丁寧な口調で説明することを心掛けていた。 市によると、市民から寄せられた除排雪の苦情は2023年度約3万件。記録的大雪だった21年度は約7万5千件だった。「おまえは頭が悪いのか」「今すぐ除雪に来い」といった罵声を浴びせられたほか、2時間も怒鳴り続けられた職員もいたという。 市は15日までに、さらに4カ所で同様の研修を開く。暴言や長時間の拘束、プライバシー侵害や性的な言動などに対する対応策をまとめたマニュアルも今月中に配る。