5年ぶりに餅つき 縁起もののしだれ餅づくりも 天城町松原上区
鹿児島県天城町の松原上区集落(110世帯、福和輝区長)で28日、年末の餅つきがあった。5年ぶりに行われた恒例行事で、地域の親子連れなど約50人が参加。つきたての紅白の餅を竹に飾り付ける縁起ものの「しだれ餅」づくりもあり、今年1年の無事を祝いながら来年の多幸を祈願した。 同集落の餅つきは30年以上前から続く伝統行事。新型コロナウイルス感染拡大の影響が続いたことに加え、昨年は会場の松原上区自治公民館が改修工事で使用できなかったため5年ぶりの実施となった。 餅つきには子ども育成会を中心に、青年団や女性団体、長寿会など老若男女が協力。地域の高齢者らは臼ときね、大きな竹製のざる「ハーラ」について説明。「昔はどの家にもあって各家庭で餅つきをしていた」などと懐かしんだ。 今年は約12キロのもち米を用意。子どもたちは大人たちの手ほどきを受けながら臼ときねを使った昔ながらの餅つきに挑戦した。しだれ餅づくりの後は、つきたての餅をおいしそうに頬張っていた。 小学5年生の女児は「お餅をこねる作業が楽しかった。私は末っ子だけど、地域のお姉さんとして小さな子どもたちの面倒を見てあげられるように頑張りたい」と新年の目標を語った。 福区長(63)は「久しぶりなのでみんなで手順を思い出しながらの餅つきだった。子どもたちも楽しんでくれたようでよかった」と笑顔を見せ、「ようやく全ての集落行事が復活した。来年も集落全体で元気で楽しい活動を続けていきたい」と話した。
奄美の南海日日新聞