【解説】内縁夫からメール「あいつら消してやる」 宝島龍太郎さん夫婦殺害事件で長女・宝島真奈美容疑者(31)逮捕 「殺害後に一番利益あるのは誰なのか」
関根容疑者から「消してやる」とメッセージ受信
真奈美容疑者は、犯行現場の空き家には行っていないということだが、今回、真奈美容疑者の逮捕に至った決め手はなんだったのだろうか。 真奈美容疑者は、宝島さんが経営する会社の役員に名を連ねていたが、事件前の2024年1月に役員から外れ、両親の死後、再び会社の役員に戻っていた。警視庁によると証拠品を解析した結果、今回の共犯性が認められると考え、逮捕に至った。 警視庁は会社運営上のトラブルがあったとみて、捜査しており、真奈美容疑者の認否については、今後の捜査への影響を理由に、明らかにしていない。 さらに捜査関係者への取材で関根容疑者は宝島さん夫婦について、「あいつら消してやる」「ここで歩けなくさせてやる」などと真奈美容疑者にメッセージを送信していたことが新たに分かった。これ以外にも、さらに具体的な証拠があったため逮捕に踏み切ったという。 殺害現場の空き家には行っていない一方で、こうしたメッセージのやりとりをしていることが、スマートフォンの解析などが進んで、分かってきたというわけだ。 元埼玉県警・佐々木成三さん: 真奈美容疑者が逮捕されたのは、幇助(ほうじょ)犯や教唆犯ではなく「共謀共同正犯」ということだ。「共謀共同正犯」というのは、殺人で逮捕された容疑者と謀議をして、その意思連絡をした後に、その謀議した一部の容疑者らが犯行を行うこと。今回、メールを送られた内容や殺害する内容をよく知っていた上で、共に共謀したということを、警察は立証したのだと思われる。
“外国人を雇い店舗数増”夫婦の方針と内縁夫が対立か
真奈美容疑者が、首謀者だという可能性も考えられるのだろうか。 元埼玉県警・佐々木成三さん: 真奈美容疑者が首謀者である可能性は、十分考えられる。今回、殺害後に、一番の利益をもらえるのは誰なのかを考えると、遺産の観点も含めて役員に戻って来た真奈美容疑者が首謀となっているというのは十分考えられる。 今後の焦点となるのは動機。これまでの情報では、真奈美容疑者と内縁関係にあった関根容疑者は、被害者夫婦が経営する飲食店のマネージャーをしていたが、経営方針を巡って夫婦と対立していたという。 外国人従業員を雇い、店舗数を増やしたい夫婦の方針に対し、関根容疑者は今ある店の質を上げ、売り上げを伸ばしたかったという。このようなことから、関根容疑者が思い通りに店を経営するため、夫婦の殺害を計画したとみて調べていた。 今後の捜査について佐々木氏はこう指摘する。 元埼玉県警・佐々木成三さん: 今後、実行犯の逮捕の中で、取り調べを綿密に行っていくと見られる。今回の逮捕に至っても、取り調べの裏付けや整合を取っていくことで、真奈美容疑者の関与が明らかになった。取り調べ以外でもメールのやり取りやメール受信後の行動なども緻密に捜査していると思われ、警察はかなり自信を持って逮捕している。 元埼玉県警・佐々木成三さん: これ以上逮捕者が出ないかどうかは、真奈美容疑者から新たな供述が出てくることも考えられるため、もちろんゼロではないと思われる。今後、別の容疑者が出たとしても、また慎重に捜査を進めていくことになる。 (「イット!」 6月27日放送より)
イット!