THE RAMPAGE 岩谷翔吾、小説家デビュー作に手応え「4年間、書き続けてきた孤独の暗闇に光が差した」
THE RAMPAGE from EXILE TRIBEの岩谷翔吾が10月11日、自身初の小説デビュー作『選択』の刊行イベントを都内で開催した。 【撮り下ろし写真】THE RAMPAGE・岩谷翔吾 デビュー小説発売記念イベント会見 ■同級生・横浜流星と共同制作 本作は高校の同級生である俳優・横浜流星の原案をもとに、ライブツアーなどの多忙なスケジュールの合間を縫って書き上げた労作。中学生時代に、それぞれの角度から「命」に向き合った幼馴染の亮と恭平を主人公に、日々を懸命に生きながらも巨大な社会の闇に飲み込まれていく二人の数奇な運命が描かれている。 イベントの前に行われた記者会見に応じた岩谷。出来上がった本を手にして「4年間、書き続けてきた孤独の暗闇に光が差したなと。手に取ってくださった方々に感謝の気持ちでいっぱい」と挨拶。安室奈美恵など名だたるアーティストのMVを手がけるクリエイター・YKBXによる装丁と、直木賞作家・三浦しをんによる推薦文についても触れ、初小説の手応えを語った。 作品の着想は、あるアメリカ人が複雑な感情で泣き崩れる動画だったという。岩谷は「その男性の今までの人生、そのなかでの選択、『どういう過程でその感情に行き着いたのだろう?』という問いが生まれて。それをちょっと描いてみたいなと」と執筆の経緯を明かした。 タイトルの「選択」という言葉については「人生は選択の連続」と触れてから「SNSで断片的に見たら悪い人でも、その裏でどんな人生を送ってきたかは伝わりません」と語った。さらに「たとえ後悔する選択があったとしても自分を信じてほしい。孤独や後悔で苦しんでいる方の背中を押せる作品になればと思って描きました」と続ける。 また読書家としても知られる岩谷。もともと本は身近だったが、より読書の深みにはまるきっかけとなった一冊に、グループのメンバー・川村壱馬から勧められた宿野かほる著『ルビンの壺が割れた』を挙げた。その当時のことを「めちゃくちゃ面白くて一気読みして、読書欲が爆発しました」と回想。さらにリスペクトしていて、かつ親交のある作家として染井為人や三浦しをん、凪良ゆう、カツセマサヒコの名前を挙げた。 ■パフォーマンスでは伝えられない「言葉への憧れ」があった 執筆の背景にはあったのは、パフォーマーとしての身体表現では伝えられない「言葉への憧れ」だったと語る。「自分はステージでマイクを持たないので、ないものねだりのような憧れもあり、コロナ禍のステイホームをきっかけに書くことに向き合い始めました」と明かした。 執筆時のルーティンについて記者から問われると「自宅の執筆部屋は電気をつけずに、パソコンの光とメンバーの山本省吾からもらったスピーカーのランプを照明代わりにしています。真っ暗な室内でパソコンに向かって、バキバキの目でカタカタしながらエンターを押しまくる(笑)」とユーモア混じりに答えた。 タイトルにちなんで「自身の選択」について問われた岩谷。よかったものは「筋トレですね。東京ドーム公演に向けて体脂肪率を7%まで絞って、計算され尽くした踊れる体を手に入れました」とコメント。また悪かったものとして「EXILE TETSUYAさんと福井名物・焼き鯖寿司を食べたとき、先輩の分まで醤油をかけたら白いパンツにこぼしてしまった」と語った。 会見の最後には、すでに取り掛かっているという次作について「1作目が自分の住む世界と真逆の、犯罪とか暗い世界観を描きました。だから2作目は自分のフィールドを描いた、自分にしか書けないものを描いてみたい。まだ構想段階なので何年後になるかはわかりませんが、必ず描きたい」と話して、囲み取材を終えた。
小池直也