ロッテ・吉井監督が挙げた長期的な2つの弱点とは?「時間をかけてやっていくしかない」
【球界ここだけの話】ロッテは今季71勝66敗6分けのリーグ3位で終えた。2年連続でCSファーストステージには進出したが、日本ハムに敗れて敗退。今シーズンを終えて約1カ月がたち、吉井理人監督(59)は来季に向けてチームの長期的な弱点を2つ挙げた。 【写真】「サイン、書きに来たで~」笑顔で歩み寄りファンと交流するロッテ・吉井理人監督 1つ目は「長打力」。チーム総本塁打数の75本はリーグ3位の成績だが、ソトとポランコの助っ人2人がそれぞれ20本以上を放ち、半数を占めている。日本人選手に限れば7本塁打の岡が最多。1位・ソフトバンクと2位・日本ハムは総本塁打数で100本を超えており、上位進出に向けて長距離砲の台頭は必要不可欠だ。 「相変わらず長打力がないのがマリーンズの弱点。ただ、急にうまくなるわけはない。そこを補うために何をすればいいのかを考えながら、長打を打てるバッティングの技術も時間をかけてやっていくしかない。そういうのをこの秋にやってもらいました」 吉井監督の指示もあり、秋季練習ではロングティー打撃を毎日行ったり、チーム全体で掲げる課題として逆方向への打球を打つ意識をもたせた。それだけでなく、状況に応じたバントや走塁判断の練習と頭を使うトレーニングも実施。より得点を増やすための戦術の幅を広げようとした。 長打力の課題を解消するべく、来季に向けて闘志を燃やしている選手は多い。今季本塁打ゼロに終わった安田や、2022年には16本を打つも今季は2本だった山口の活躍はリーグ優勝には欠かせない。1年目を終えた上田や今季イースタン・リーグで本塁打と打点の2冠に輝いた山本、ドラフト1位・西川(青学大)、同2位・宮崎(ヤマハ)も長打を打つことのできる打者で活躍が期待される。そういった選手が活躍することでチーム内でも相乗効果が生まれ、競争意識も高まりチーム力の向上にもつながるだろう。 2つ目の課題として挙げたのが「投手陣の体力」。吉井監督は「投手でいえばコンディション。1年間で好不調の波はありますが、その波を小さく。先発だったら1週間に1回しっかりとマウンドに立てるようにしてほしい。結果は相手のあるスポーツなのでコントロールできないですけど、コンディションはコントロールできる。やっぱりいい投手は最後までしっかり投げてもらいたい」と要望した。 メジャー挑戦が決まった佐々木の穴を埋めるのも来季の課題。指揮官は「結構大きい穴だとは思いますが、1人で埋めるのはなかなか難しい。みんなの力で埋めていきたい。もしかしたら球団が大物のFA選手を取ってくれるかもしれないですし」と話した。助っ人外国人の補強も考えているというが、右腕の中森や田中晴、左腕の高野脩らの台頭にも期待がかかる。
チームは12日にZOZOマリンでの秋季練習を打ち上げた。吉井監督は「これからの3カ月がすごく次のシーズンに大事になってくる」と話し、高卒ルーキーらを除いた選手のオフの過ごし方は「こっちから言うことではないかなと思う。やらないやつは淘汰(とうた)されていく。モチベーションを上げてしっかり練習してくれればいい」と主体性を求めた。悲願のリーグ優勝を目指し、勝負はすでに始まっている。(森祥太郎)