オーストラリア人が「一番不思議」と驚いた日本の習慣、「テクノロジーがすごいのに…」もはや使っているのは日本だけ?
日本には多くの外国人が暮らしています。その目的はさまざまですが、長く住んでいる分、一見の観光客とは違い、日本独自の習慣を熟知しています。日本での生活を通じ、異文化を感じるのはどんな瞬間なのでしょうか。長編デビュー作『取り残された人々:日本におけるシングルマザーの苦境』(12月14日~20日、K'sシネマ新宿)が話題を呼んでいるオーストラリア出身のライオーン・マカヴォイ監督に聞きました。 【写真】オーストラリア人が「一番不思議」と驚いた日本の習慣の写真 ◇ ◇ ◇
サッカーの無料観戦チケットを申し込もうとしたところ…
「日本はテクノロジーがすごいというイメージはやっぱりありますね。でも、一番不思議なのは、なぜまだファクス使っているのかっていうことです。この間、商工会からサッカーの無料招待チケットを差し上げますよっていう案内が来たんですよ。それに申し込もとうしたら、ファクスで送ってくださいと。わざわざコンビニに行ってファクス送ったのにエラーでチケットをもらえなかったんですよ」 マカヴォイ監督は日本での不思議なことにファクスが残っていることを挙げました。 2000年に19歳で初来日。その後、何度か行き来しているうちに定住し、約20年にわたって日本で暮らしています。英語教師や証券マンの経験があるほか、プロレスラーとしても活躍。そして、今では監督業と、日本を舞台に幅広く活動しています。日本のシングルマザーの過酷な現実を描いたデビュー作は、国内、国際映画祭含めて17部門で受賞。11月に映画館で公開されると連日満員のにぎわいを見せ、このほど急きょ追加公演が決まりました。 日本に移住した理由を聞くと、「日本が大好きになっただけですね。合気道を非常に高いレベルでできますし、いろんな国の友達もいるし、食べ物もおいしいです」。空手、合気道、プロレスと格闘技に精通。日本は武道の国としても知られていますよね。もちろん、日本語はペラペラで、生活に不自由はありません。 日本を敬愛するマカヴォイ監督ですが、驚きを隠せないのが、想像以上にファクス文化が普及していることです。日本では官公庁を中心に、令和の現在でもファクスで連絡を取り合う習慣が残っています。 ただ、サッカーのチケットについては、外国人ならずとも違和感を覚える人は多いかもしれませんね。 「クレームがあったのか、その次の申し込みの時はQRコードになっていました。QRコードができたので、2回目の時はちゃんと試合を見られたんですけど、1回目はファクスしかありませんでした。なぜ2024年にファクスをさせようとしてるのか、すごい不思議でした」と苦笑しました。 デジタル化が進み、インターネットやメールの安全性は向上しています。「ファクスはセキュリティー的には一番高い技術です。それが採用の理由かもしれませんけど、誰もファクス使いません。でも、国の仕事は紙が本当に多いです」。オーストラリアにもファクスはありましたが、「もう15年前に捨てましたね。もう誰も見たことありません」と現状を説明しました。