【毎日書評】根性論もキラキラ起業家も関係なし。地道に稼ぐ人たちがやっている共通点
地道に稼ぐ人たちの共通点に注目する
起業には、生きるか死ぬかというように極端なイメージがついてまわるもの。根性論が大好きな日本人には、「清水の舞台から飛び降りる覚悟でやる」盗用な考え方が刺さるのかもしれません。しかし著者は、そうした発想は捨ててしまうべきだと主張しています。 もちろん日々の努力は欠かせないものの、そんな意気込みだけで臨む経営者ばかりではなく、無理にリスクを負う必要もないからです。 ひと昔前、「起業するからには与信枠(利用限度額)を使って借金しろ!」というメッセージが広く出回ったことがありました。私はそれを真に受けて破産していった若者を何人も知っています。 起業にかぎらず、どの業界にもオピニオンリーダーがいるので、強いメッセージは浸透しがちです。でも、プレッシャーをプラスに変えて伸ばせる人ばかりではなく、プレッシャーに勝てず凝り固まってしまう人もいます。(21~22ページより) 実際のところ、世の中には“大成功でもない、大失敗でもない、地味なストーリー”がたくさんあるもの。誰にもわかりやすい華やかな成功劇がある一方には、「見よう見まねで始めた結果、気がついたら創業30年」というような会社も、実際のところ山のように存在しているわけです。 しかも、細部の違いこそあれ、それらは大筋が同じストーリーを持っているものでもあると著者はいいます。決して意識的ではないにせよ、同じ思考プロセスをたどっているというのです。 つまり、その勘どころをうまくつかむことさえできれば、地道に稼ぎ続けることは可能だということ。だからこそ、目につきやすい情報にばかり目を向けるべきではないのかもしれません。(20ページより) 起業とはいっても、個人レベルの副業から独立開業、チーム(組織)で始めるパターンなどスタイルは多種多様。 そんななか著者が「ひとりで小さく始めること」を勧めているのは、不要なリスクやコストを避けるべきだから。そしてそのためには、過去の成功例をマネることが重要だというわけです。起業を目指している方にとって、そんな本書は参考になるかもしれません。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: 白夜書房
印南敦史