駒大・大八木弘明総監督の助言も胸に 女子が都大路初出場を決めた駒大高校「当たり前のことを、顧問がいなくてもできるように」
「学校や周りの方からも応援される人になろう」
都駅伝を終え、関東高校駅伝に向けた練習日、渡邉聡先生にお話を伺いました。 「(女子は)昨年の3年生たちが初めて(都駅伝)優勝を本気で目指したのですが届きませんでした。生徒たちは『もう今年は1位しかないでしょ!』という空気になっていました。今年の3年生は『絶対勝ちます』とブレずにチームを引っ張ってくれて一つになっていました」 駒澤大学で大八木総監督から受けた情熱や信念は、渡邉先生にとっても指導の土台となっているそうです。2018年に男子が全国に行けたのは「勢いだけでなく、運が良かったのもありました」と渡邉先生は振り返ります。 都大路の舞台を経験した男子はその後、東京都で4位、5位といった順位が続き、全国への道のりが厳しい時期もありました。女子も徐々に順位が上がっていたものの、まだ上位校とは大きな差がありました。そんな時に渡邉先生は恩師・大八木監督から助言をいただいたそうです。 「練習を一生懸命やる、練習メニューを考えるというのは顧問として当たり前です。それも大事ですが、生徒の人間教育についてもっと深く考えるようになりました。原点に戻って、まずは当たり前のことを当たり前にできるように、人としての成長をより意識したところ、少しずつ変わっていきました」と渡邉先生は言います。 「生徒たちは『全国へ行きたい』『強くなりたい』と言いますし、みんな練習は一生懸命にやります。ただ、生活面に関しては、うちは寮生活ではなく全員自宅から通っていますので、そこでチーム全体の意識や一人ひとりの意識が出てしまいます」 渡邉先生が伝え続けたのは「学校や周りの方からも応援される人になろう」ということでした。「なぜそれが大事なのか、顧問がいる時だけやるのではなく、いない時でもできるようにしようと言い続けてきました。人から言われてやるのと、理解して自分で動けるようになるのとでは全然違います。だんだん、学校でも他の先生から『陸上部いいね』と言われるようになってきました」