同僚が「会社から交通費が出ているけど、もったいないから会社の近くまで自転車で来ている」と言っているのですが、これは違反ではないのでしょうか?
「もったいない」では済まされない
ところで、通勤災害は労災保険の給付の対象です。通勤とは、 (1)住居と就業の場所との間の往復 (2)就業の場所から他の就業の場所への移動 (3)単身赴任先住居と帰省先住居との間の移動 という移動を、「合理的な経路および方法」で 行うことをいいます。 また、「合理的な方法」について、通常用いられる交通方法は、平常用いているかどうかにかかわらず、合理的な方法となります。 (出典:厚生労働省「労災保険給付の概要」) もし、Aさんの同僚が事故に遭ったらどうなるでしょうか。「合理的な経路および方法」であることが給付の請求時に事業主の証明が必要ですが、自転車通勤そのものは「合理的な方法」であっても、その際に不正受給を知られることは明白であり、確実に返金およびその他の処分が発生します(通勤災害に認定されるかどうかは、労働基準監督署が判断します)。 軽い気持ちでやってしまった不正行為ですが、少しの得した気分を得るために支払う代償は、あまりにも大きいのではないでしょうか。 出典 厚生労働省 通勤手当について 第2回 社会保険料・労働保険料の賦課対象となる報酬等の範囲に関する検討会 厚生労働省 令和2年就労条件総合調査の概況 厚生労働省 労働基準局 監督課 モデル就業規則 独立行政法人労働政策研究・研修機構 独立行政法人労働政策研究・研修機構職員給与規程 厚生労働省 労働契約法のあらまし デジタル庁 e-GOV法令検索 明治二十九年法律第八十九号 民法 第三編 債権 第四章 不当利得 第七百三条 デジタル庁 e-GOV法令検索 明治四十年法律第四十五号 刑法(明治四十年法律第四十五号) 第二編 罪 第三十七章 詐欺及び恐喝の罪 第二百四十六条(詐欺) 厚生労働省 労災保険給付の概要 執筆者:林智慮 CFP(R)認定者
ファイナンシャルフィールド編集部