[ハリウッド・メディア通信] 女優パワーが炸裂したクリティクス・チョイス・アワード 『哀れなるものたち』主演女優賞受賞のエマ・ストーンが、アカデミー賞前哨戦の順風に帆をあげた!
主演女優賞 受賞のエマ・ストーン
主演女優賞を受賞したエマ・ストーンは、授賞式のレッドカーペットに、ワン・ショルダーのルイ・ヴィトンの黒のオートクチュールドレスで品よく登場。受賞スピーチでは、 それぞれノミネートで肩をならべた女優たちの名前にふれて敬意を表し、「この映画で、主人公ベラから、人から何を言われても気にしてはいけないと学び、とくに批評家が何を言おうが関係ないと心に決めながらも、このクリティクス・チョイス批評家たちが選んだ主演女優賞に選ばれたことは確実に嬉しいわ」と、壇上で本音を語り、観客はスタンディング・オベーションで一体となっていた。 同主演女優賞でノミネートされていた女優ザンドラ・ヒュラーが主演した『落下の解剖学』がほぼ予測通りに外国語映画賞を受賞。ヒュラーは去年、第76回カンヌ映画祭で話題となり、グランプリを受賞した『The Zone of Interest(原題)』にも出演していて、同人物だとは思えないほどに、冷淡なナチス将校の妻を演じ、両作品ともクリティクス・チョイスでノミネートされ、いずれも評価が高かった。今年の外国語映画賞はどの作品も良質で批評家を悩ませ、カンヌで監督賞を受賞したトラン・アン・ユン監督の『ポトフ 美食家と料理人』、役所広司、ヴィム・ヴェンダースが異例のタッグを組んだ『PERFECT DAYS』など、カンヌ評価とほぼ瓜二つのノミネーションの中、『雪山の絆』はベストスコア部門でもノミネートされるなど人気を集めた。 さらに、年末興行で大ヒットを飛ばした『ゴジラ-1.0』がほぼサプライズという形でノミネートされるなど、批評家たちが素直に楽しんだ映画への評価も入っていて嬉しい結果となった。ゴジラの模型とともに賞に参加した山崎貴監督は、ゴジラめがけて監督に話し掛けにきた批評家たちの賛美に、はにかみながら、「この外国語映画賞のカテゴリーに入っただけでも本当に嬉しいです」と絶えず笑顔で、功労賞を受賞したハリソン・フォードや『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のレオナルド・ディカプリオなど、ハリウッドセレブで沸くパーティ会場の和気あいあいとしたアメリカンな雰囲気を楽しまれているようだった。
文・撮影 / 宮国訪香子