日大藤沢MF宮澤朋哉（左）がドリブルで好機を演出する

＜全国高校サッカー選手権神奈川県大会：日大藤沢1－0桐蔭学園＞◇20日◇2次予選3回戦◇40分ハーフ◇日大藤沢高 　3年連続の全国切符を狙う日大藤沢が、ライバル桐蔭学園に1－0と競り勝ち、準々決勝へ駒を進めた。 　昨年の決勝と同一カード。日大藤沢はU－19日本代表MF布施克真（3年）MF宮澤朋哉（3年）を軸に攻撃を組み立てたが、桐蔭学園の厳しくディフェンスに好機を作れず、無得点のまま前半を終了した。 　1点勝負となる中、後半13分にはカウンターから布施が敵陣ゴール前まで持ち込み、フリーで走り込んだ右の宮澤へ。しかしニアサイドを狙ったシュートはゴール右に外れた。さらに21分にはゴール前で浮いたボールをFW伊東大輝（3年）がワンタッチ、GKの頭上を狙うシュートを打ったがゴール上へ外れた。 　主導権を握った中、後半27分に左サイドからMF岩内類（3年）が縦へドリブルで持ち込み、グラウンダーのクロスボールを中央へ。走り込んだMF北浦悠月（3年）が左足でシュートし、ゴール右に決まった。 　そして終盤は桐蔭学園の反撃を食らうも、ゴール前でチーム一体となったディフェンスでしのぎ切った。 　主将の宮澤は「試合の入りから集中していたし、セカンドボールを拾えたのが良かった。自分たちを信じて戦えたし、最後まで全員が足を止めずに走り切れた」と勝因を語った。 　10番を背負う布施という軸がいるが、この試合で目立ったのは宮澤のドリブルだった。157センチと小柄ながら俊敏な動きと巧みなボールタッチで相手を翻弄。小柄ながら当たり負けしないパワフルなプレーも光り、好機を演出していた。 　子どもの頃からメッシのプレーを見て育った。そんな「日藤のメッシ」は「（布施）克真の存在が刺激になっているし、負けたくない。自信を持っているし、自分がボールを持ったら、全部行かれると思われるくらいのプレーがしたい」と意気込む。 　今季はインターハイ予選準決勝で神奈川の覇権を常に争う桐光学園に0－3と完敗。その悔しさを原動力に、夏場の練習は質と量ともに「基準を一つも二つも上げて」取り組んだという。見据えるのは、逆の山にいる桐光学園に雪辱しての3年連続の全国切符だ。 　「神奈川はライバルが多く、厳しいので一戦必勝でいく。桐光に負けない準備をしていきたい」と宮澤。桐蔭学園という大きな山を越え、激戦区・神奈川3連覇の偉業へまた一歩近づいた。【佐藤隆志】