加藤登紀子さんが二日市保養所跡の水子地蔵へ「女性たちは命をつなぐため一歩を踏み出した」引き揚げの苦難と世界の現状を重ね歌う 福岡
インタビュー中、加藤さんは、引き揚げの経験について語った母の言葉をふと思い出しました。 ■加藤さん 「母がまさに二日市保養所に来た人たちと同じくらいの年齢の女性で、子ども3人がいるのですが、非常に厳しい中を生き抜いた。私の母は『あなたがお守りだった』と言ってくれたことがあったんですよ。」 あなたがお守りだった。その言葉は、祖国を目指す日本人女性たちがいかに困難な状況に置かれていたかを如実に物語っています。 ■加藤さん 「赤ん坊を背負っていれば身を守れたというか。だから、いろいろな人がちょっと外出する時も、トコちゃん(=加藤さん)貸してって、みんなトコちゃんをおんぶして出かけたって言うんですよね。私はそれを思うと、私の中に記憶はないし、意識もないけれども、一緒に頑張ったんだなとちょっと思いますね。」 加藤さんは今、ロシアの侵攻で、ふるさとを追われたウクライナの避難民たちに旧満州から引き揚げた自らの経験を重ねています。 そうした思いでおととし発表した歌のタイトルは「果てなき大地の上に」です。戦争を正当化できる理由なんてひとつもない、そんなメッセージが込められています。
♪果てなき大地の上に(作詞・作曲 加藤登紀子) 「何のための戦争だったか もう誰も答えない どれほど人が傷ついたか もう数えることができない どれほど涙流したか もう覚えてはいない どこまで歩けばたどり着く 誰も答えてはくれない 今ここに生きている たったひとつの光の中で 昨日までの微笑みを もう一度思い出して No War! No! Forever! No War! Forever! No War! No! Forever! No War! Forever!」 加藤登紀子さんは「百万本のバラコンサート」と題して、5月18日に福岡県筑紫野市で、翌19日には佐賀県唐津市で公演を行う予定です。