“アナログ特撮”の舞台裏――映画『カミノフデ~怪獣たちのいる島~』 特撮監督・佐藤大介プロデューサー独占インタビュー!【中編】
新行:ヤマタノオロチの操演には「すかがわ特撮塾」の一期生の皆さんが携われたんですよね。 佐藤:そうですね。「特撮に性別は関係ない」というのを僕は意識していて、例えば女性のスーツアクターであっても男性的なキャラクターを演じることができます。その他、オロチの操作に関しても、子供たちでも一流の操演ができるんじゃないかと思いました。特撮がもっている可能性を作り方でも示したかったというのがあります。 新行:特撮塾の皆さんの操演はいかがでしたか。 佐藤:子供たちはその場ですぐに飲み込んで、ものすごく良い動きをしてくれました。映画本編を観ていただければ分かると思うのですが、すごく自然な動きをしてくれているんですよ。それはやっぱり元々好きだっていうのもあるでしょうし、子供たちならではの柔軟性というか……そんなことを感じました。 新行:具体的にどのようなディレクションをされたのですか。 佐藤:ヤマタノオロチは首それぞれに個性がある設定なので、「この首はこういう動きで」「ボス首は偉そうな感じで」みたいに説明をして、練習を経て、本番に臨む感じでしたね。 新行:ヤマタノオロチのそれぞれの首の個性が現れている動きですよね。このような形で、すかがわ特撮塾の皆さんが操演に関わっていらっしゃることも含めて、アナログ特撮を伝えていくことに繋がりますよね。 佐藤:そうですね。今の子供たち、とくに「ウルトラマン」や「戦隊」を卒業した中高生はCG作品を見慣れているので、アナログの映像を観た時に「これ、どうやって撮ってるの?」というような、新しい感覚として捉えてくれるんじゃないかなと思います。アナログ特撮をひとつの表現方法としてみせるやり方は、最近の「スター・ウォーズ」でもやっていますしね。 映画『カミノフデ~怪獣たちのいる島』の撮影現場の舞台裏について明かした佐藤大介プロデューサー。 後編では、こだわりの特撮パートやアナログ特撮の未来について佐藤大介プロデューサーが語る。