高齢者の平均貯蓄額と負債。豊かな老後を過ごすためにはいくら必要?
高齢者世帯の平均貯蓄や負債はいくらあるのでしょうか。今回は、厚生労働省の資料から、高齢者世帯の家計について紹介します。併せて、老後に豊かな生活を送るために、50代や60代の方が貯蓄や負債の返済を行う上で注意すべきポイントもチェックしていきましょう。
高齢者世帯の貯蓄
まずは、高齢者世帯の平均貯蓄を確認していきます。厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、全世帯と高齢者世帯の貯蓄額は以下のとおりとなっています。 <1世帯当たり平均貯蓄額> 全世帯 :1368万3000円 高齢者世帯 :1603万9000円 貯蓄額について、高齢者世帯に限った場合は、全世帯に比べて平均値が高いことが分かります。高齢者世帯は、今まで働いて得られた収入や退職金などを貯蓄することによって、若い世代を含めた全世帯よりも貯蓄が多いと考えられます。 一方で、高齢者世帯のうち「貯蓄がない」と回答している世帯の割合は、全体の11.3 %です。年金収入などを収入源に、その日暮らしをしているであろう高齢者世帯は、およそ10世帯のうち1世帯はいることが分かります。
高齢者世帯の負債
次に、高齢者世帯の抱える負債についてチェックしていきます。同資料によると、全世帯と高齢者世帯の平均借入金額は以下のとおりとなっています。 <1世帯当たり平均負債額> 全世帯 :390万6000円 高齢者世帯 :52万9000円 高齢者世帯の平均借入金額は、全世帯に比べて低くなっています。これは、現役時代に住宅ローンなどを完済している高齢者世帯が多いからだと考えられます。 また、高齢者世帯のうち「借入金がない」と回答している世帯は79.6%、「借入金がある」と回答している世帯は6.8%です(13.6%は借入金の有無不詳)。約8割の高齢者世帯は、借入金を計画的に返済し、負債のない状態で老後の生活を送っていることが分かります。