日本ジュニア覇者はゴルフ部がない大学へ 中村心は初めての海外
◇女子アマチュア◇オーガスタナショナル女子アマチュア 初日（3日）◇ジョージア州・チャンピオンズリトリート（6360yd、パー72）、オーガスタナショナルGC（6365yd、パー72） 【画像】 吉田鈴はリンゴをパクリ 今年3月に高校を卒業したばかりの中村心が、初出場のオーガスタ女子アマをイーブンパー29位で滑り出した。世界アマチュアランクは日本勢2番手の21位につける実力を持ちながら、卒業後はゴルフ部がない大学への進学を予定している。 通信制のECC学園高で3年間を過ごしながら、昨年「日本ジュニアゴルフ選手権」で優勝。そのままプロ入りを目指したが、12月のプロテストでは合格に届かなかった。「もともと進学の予定はなかったけど」と進路に迷っていた時に、選択肢に上がったのがナショナルチームとして経験を積むこと。 チームの選考基準には高校・大学の在籍が必須のため、急いで進学先を探して決めたのが通信制の人間総合科学大学。「ゴルフ部はないけど、心理的な勉強もできるし、通信なので試合にも出やすい」とオンラインで学びながら、海外転戦で経験を積もうと決めた。
発行したばかりのパスポートを持って、今大会が海外デビュー。「日本と違うコースの雰囲気も、海外の選手と回れることも全部が楽しい」と、現地のキャディと会話をするために、ヤーデージブックの空いたスペースに英単語のメモも作った。 前半9番（パー5）では、キャディのアドバイスもありイーグルを奪取。「ピンの奥に落としても、傾斜で戻ってくると教えてもらったので」とアゲンストのなか、52度で抑えて打った3打目は、アドバイス通りに奥から戻ってカップイン。入ったところは見えなかったが、ギャラリーからの歓声が聞こえて両手を上げて喜んだ。
決勝が行われるオーガスタナショナルGCは、テレビで見て憧れもある。昨年から教わるようになった男子プロの中嶋常幸からも、コースについて聞いてきた。 「あした何があるかわからないので、まだ気を緩められない」と表情を引き締めつつ、「日本と違うコースも、海外の選手と回れるのも全部が楽しい」と笑顔がはじけた。（ジョージア州エバンス／谷口愛純）
