礎電線、3年で服飾・建材用など非電線分野販売量3割増目指す
中堅巻線メーカーの礎電線(本社・埼玉県吉川市、社長・田中友則氏)は、今後3年内をめどに非電線分野での販売数量を2~3割拡大することを目指す。同社では金属線にエナメル被覆を施すなどの技術を生かし服飾や建材、自動車関連分野などへ電気を通さない非電線用途でも製品を供給。主力である電線としての巻線のビジネスを重視しつつ、非電線分野でさらに新規用途を拡大したい考えだ。 非電線分野では黄銅などの金属線に色付けや色合いの調整、変色防止などのためのエナメル被覆を施している。黄銅素材の金に近い色を生かせるほか、受注案件によっては銀メッキなどの技術も活用できる。さらには被覆材料での工夫によって、多彩な色を付けられることも特長となっている。 顧客からの要望に応じて撚り合わせる際の最適な柔らかさや加工した際の色合いなど、さまざまな要素をきめ細かく調整。小回りの利く体制を生かすことで付加価値を確保できるビジネスとなっている。また需要の安定性が比較的高いことも利点。 今後は用途拡大により非電線分野への販売も伸ばしていきたい考え。田中社長は今後3年内をめどに非電線分野での販売数量を2~3割拡大して「将来的には事業の柱の一つとして育てられれば」と期待している。