どうなる?!広島、西武、オリのFA人的補償。成功人選に4パターンあり
FAを行使した4選手の移籍先が決まり人的補償の人選に注目が集まっている。移籍選手の契約締結が公示された日から2週間以内に28人のプロテクトリストを提出、公示日から40日以内に金銭、人的補償を終えなければならない。今回は浅村栄斗が楽天、炭谷銀仁朗が巨人へ移籍した西武、丸佳浩が巨人に移籍した広島、西勇輝が阪神に移ったオリックスの3球団が金銭、人的補償を求めることができるが、果たして、どんな選手を選ぶのか。そして人的補償は戦力になるのだろうか。 過去にFAの人的補償で移籍した選手は1995年オフに河野博文の補償として巨人から日ハムへ移った川邉忠義を第1号に昨年の野上亮磨の補償で巨人から西武に移籍した高木勇人まで25人に及ぶ。内訳は投手16人、捕手2人、内外野手7人。FAで移籍した側が投手15人、捕手2人、内外野手8人だから、出る方ともらう方のバランスは取れている。現役でプレーしているのが9人。在籍年数が最も長いのが広島が阪神から新井貴浩の補償で獲得した赤松真人の11年、巨人から野口茂樹の補償で中日に移った小田幸平の9年、同じく阪神から小林宏之の補償でロッテが獲得した高濱卓也の8年と続く。赤松、高濱は今なお現役だ。 だが、一方で2013年オフに涌井秀章の補償でロッテから西武に移籍した中郷大樹投手のように1年で結果が出ずユニホームを脱いだケースもあり、FAの人的補償選手の平均プレー年数は、おおよそ4年となっている。 人的補償で成功した選手と失敗した選手の明暗は分かれている。成功の代表例は、西武からヤクルトに移った2008年に打率.320をマークして42盗塁でタイトルを獲得するなど戦力になった福地寿樹、巨人から広島へ移り、貴重な中継ぎとして2014年に防御率0.58で16ホールド2セーブと活躍、今季も59試合に登板、防御率2.88で優勝に貢献した一岡竜司、2014年に巨人から西武に人的補償で移籍した脇谷亮太らだろう。 山口俊の補償で巨人から横浜DeNAに来た平良拳太郎も2年目の今季は先発抜擢され5勝3敗の数字を残した。 巨人から横浜のローテーに入って2007年に7勝6敗の工藤公康、同じく巨人から横浜DeNAのパターンで2012年に7勝7敗、2013年に6勝5敗の藤井秀悟、ソフトバンクからオリックスへの移籍1年目は肩の故障で戦力にならなかったが、2年目の2014年に55試合登板、32ホールド、防御率3.55をマークしたかつてのセーブ王、馬原孝浩も成功例に入れてもいいのかもしれない。 一方、第1号の川邉や中郷らのように、わずか1勝で終わった失敗例も少なくない。 過去のFAの人的補償の人選方針を見ると、おおよそ4つのパターンに分類される。 (1)弱点補強型 (2)将来性重視の若手指名型 (3)敵チームの戦力ダウン型 (4)ビッグネーム狙いのチームへの刺激型の4つだ。 (1)の典型は、片岡の抜けた二塁をそのまま脇谷で埋めた西武。(2)が当たったのは広島の一岡で、ヤクルトが入団2年目の当時19歳の奥村展征を巨人から獲得した例もある。(3)は、久保康友の補償でベテラン捕手の鶴岡一成を横浜DeNAから抜いた阪神のケース。実際、横浜DeNAは、しばらく捕手難となった。また(4)のケースは江藤智、工藤公康らだろう。 では、どのパターンが正解なのだろうか。