松木玖生選外、16年ぶりOA不在…招集に強制力のない五輪代表、日本サッカーの成長で海外組増加が選考を困難に【サッカー】
日本サッカー協会(JFA)は3日、パリ五輪の男子日本代表18人を発表した。MF藤田譲瑠チマ(22)=シントトロイデン、FW細谷真大(22)=柏らを順当に選出した一方、MF松木玖生(21)=FC東京=らが選外となり、年齢制限のないオーバーエージ(OA)も不在。全員23歳以下で挑むのは、2008年北京五輪以来となる。 ◇ ◇ ◇ 【解説】 大岩監督がメンバー選出で重視した点を答えようとしたときだった。「皆さんご存じの通り、いろいろな制限、いろいろな…」。慎重に言葉を選ぼうとし、言いよどむこと7秒。「制限がある中で、われわれが現在、U―23日本代表としてパリ五輪に招集することのできる最高の18人プラス4人のバックアップメンバーを選んだつもり」。招集環境の厳しさを訴えるかのようだった。 中盤でチームを支えてきた松木も選外に。指揮官は理由を濁したが、山本昌邦ナショナルチームダイレクター(ND)は「移籍の可能性がある」と明言した。 さらに山本NDは「この時期、欧州の市場が大きく動いている。選手の移籍先が決まらなければ、交渉すらできない状況。OAに限らず、久保建英、鈴木唯人、そして鈴木彩艶たちも招集がかなわなかった」と打ち明けた。 招集に強制力のない五輪代表。「そういう選手たちがチームでとてつもなく大きな存在で、必要とされているからこそ、こういう困難な状況になっている」と山本ND。日本サッカーが成長し、若くして海外でプレーできるようになったことで、メダルへの道が険しさを増したのは皮肉だ。(林修史)
中日スポーツ