【バレー】パリ五輪代表のリベロ・小島満菜美、アスリーツアンリミテッドで最終週に挑む。「選手も観客もリアクションが大きく、良い雰囲気です」
NECレッドロケッツ川崎からアメリカプロリーグへ移籍した小島満菜美選手。まずは、5週間のアスリーツアンリミテッド(Athletes Unlimited以下、AU)に参戦中で、いよいよ最終週を迎える。
チームメイトの信頼も厚く
AUは、2021年にアメリカで開幕した女子バレーのプロリーグで、他のリーグとは、やり方が大きく異なる。優勝チームを決定するのではなく、選手個人の各プレーの成功とエラーでポイントが付き、それにチームの勝敗、各試合のMVPポイントを合計する。44人の選手で上位4人の表彰選手を競う。(ポイントについては公式サイトのabout our formatで。2024年シーズンの内容は、バレーボールマガジンのサイト、https://vbm.link/のコラム欄2024年10月27日をご覧下さい。アメリカ女子バレーで検索可) AUでは、毎週、キャプテンがドラフトで自分のチームのメンバーを選びチームを作り、週ごとにメンバーが変わっていくのが特徴だ。小島選手は5週間の内、4週間はキャプテンがベタニア・デ・ラ・クルス‐メヒア選手のチームだった。以前、デ・ラ・クルス‐メヒア選手に「どのように選手を選ぶのか? 前回同じチームで慣れのある選手の方がやり易いのか」と聞いたところ、彼女は、「仲がいいなどという事では選びません。選手個人の実力、そして自分が作ろうとしているチームに適しているかで判断します」ときっぱり言い切った。小島選手がいかにデ・ラ・クルス‐メヒア選手から信頼されているかが分かる。リーグ初戦でいきなり試合最多の18ディグを上げ、3週目には1試合20ディグをマークしMVP2(投票で選ぶMVP2位)にも選ばれた。
小島満菜美選手「日本の選手をより身近に感じてもらえれば」
小島選手にどうしてアメリカを選んだのか、またAUの印象などを伺った。 ―少し時間が経ちましたが、パリ五輪はいかがでしたか。 小島満菜美選手(以下、小島):チームとして悔しい結果でした。けれどオリンピック独特の雰囲気や環境、その場にいてこそ感じることのできた世界との違い、今日本に必要な部分が自分なりに見えてきたなと思っています。 ―海外に出られるにあたって、アジアやヨーロッパではなく、どうしてアメリカを選ばれたのですか。 小島:日本の国内リーグでもアメリカの選手と接する機会はよくあります。特にナショナルレベルまで選ばれいる選手は本当に人格者が多い印象を受けます。アメリカの強さの一つにそう言った部分があるのではないかと感じました。そしてアメリカはリードブロックを開発したりなど戦術や戦略も学びになるのではと思いアメリカを選びました。 ―AUに入団して、日本と何か違うと感じられたことはありますか。 小島:練習やウォームアップの時間ややり方など、日本とは様々違う部分が多いです。基本的に全てが短いですね。短い時間で自分のパフォーマンスを持っていく良い機会だなと思っています。選手、観客含めてすごくリアクションが大きいので、良い雰囲気を作ってくれています。 ―AUは他のリーグとはやり方が大きく違います。ドラフトで選ばれるのは緊張なさいましたか。新しいチームができてから数日の練習だけで、チームメイトと連携をとるのは難しいですか。自分のプレーがポイントで評価され、それが順位になるという事はプレッシャーを感じますか、それとも逆にモチベーションが上がるのでしょうか。 小島:緊張感は特にありません。けれど1週間でチームを作るというのは、細かい部分まで時間をかけて作り上げることはできないので、瞬間の対応力とコミュニケーションが大事だなと思います。今は言語の壁もあり、その場で素早くコミュニケーションを取るのに苦労しています。早く英語を習得したいです。個人的には自分の評価は気にしないタイプなので、チームが勝てればそれでいいなと思っています。ですが、AUは個人のパフォーマンスを出すことがチームの勝利へ重要視されるリーグなので、自分が高パフォーマンスを出し続けることは大切だと考えています。 ―残り1週となりましたが、AUへの抱負と日本のバレーファンにメッセージをお願いします。 小島:今回私がAUに参加することによって、アメリカをはじめ、世界の皆さんに日本のバレーボール選手をより身近に感じてもらえる機会になれたらと思っています。そして日本のバレーボールにも興味を持ってもらい、応援してくれたら嬉しいです。そのために少しでも良い順位で終われるように頑張ります。