朝ドラ「スカーレット」大島優子は期待に応えられるか
横溝菜帆からバトン受けた大島
照子の子ども時代を演じたのは横溝菜帆で、昨年人気を博したドラマ「義母と娘のブルース」(TBS系)では上白石萌歌の幼少期を演じ注目を集めた。そのときは上白石へのリレーがイメージの破綻なく行われて好評だったが、今回も横溝から大島へのバトンタッチが実に自然で、違和感なしと評判だ。ヒロインの喜美子についても、子ども時代を演じた川島夕空から戸田へのスムーズな移行を称える声がネットに躍る。キャスティングのセンスと演出、演者の役作りがしっかり揃っている証拠だろう。 今作は101作目の朝ドラとなるが、前作「なつぞら」が北海道の大自然に始まり、時代の最先端だったアニメーターといった割とキャッチーな部分を押し出していたのに比べると、地味でも堅実な作りを心がけているように感じられる。脚本は水橋文美江氏で、「夏子の酒」、「妹よ」、「みにくいアヒルの子」、「ビギナー」、「ホタルノヒカリ」シリーズなど数多くの作品で知られ、さまざまな女性像を描いてきた。1年近くの月日をかけ、一人のヒロインの人生を伝える朝ドラにはピッタリの作家と言えるだろう。 役者の芝居の力も、一層重要になってくる。演技巧者揃いの出演陣の中で、大島の本領発揮に期待したい。 (文・志和浩司)