自民党静岡県連、知事選敗れ課題山積 処分/会長ポスト/支部長後任… 10日に県連大会、再建急務
自民党静岡県連が知事選での党推薦候補の敗北を受け、新たな課題に直面している。対立候補を支援した関係者の処分を迫られ、会長続投が内定していた城内実氏(衆院静岡7区)が辞任を示唆したことで、会長ポストの行方が混沌(こんとん)としてきた。空席となっている衆院静岡3区と8区支部長の後任選びも急務だ。足元に揺らぎを抱えつつ、10日の県連大会を迎える。 「勝てば官軍では困る。自民党が一つにまとまるためにも厳しい処分が必要だ」 1日に静岡市葵区で開かれた支部代表者会議。大村慎一氏を推薦した党方針に従わず、対立候補だった鈴木康友知事を支援した浜松市議に対し、出席者から批判の声が相次いだ。 同市では重鎮の柳川樹一郎市議が鈴木氏の出陣式でマイクを握るなど足並みの乱れが露呈した。県連幹部は役員会で承認されれば党紀委員会を開いて処分を決めると説明。ある県議は「大村氏が勝てば大目に見ることもあっただろうが、そうはならなかった。処分はやむを得ない」と指摘する。 敗戦の余波は執行部人事にも及びつつある。城内氏は1日の記者団の取材に「責任の取り方、けじめの付け方として、やはり県連会長を辞めるのが筋だ」と述べ、近く県連所属国会議員による会合を開いて最終判断する考えを示した。 ただ、辞任した場合の後任選びは難航しそうだ。上川陽子外相(衆院静岡1区)は外交日程が立て込むなど多忙を極め、ベテランの牧野京夫氏(参院静岡選挙区)も来夏に自身の参院選を控える。県連内には「適任者が見当たらない」「会長だけに責任を負わせるべきでない」など城内氏の続投を望む声も根強い。 次期衆院選に向けた体制構築にも不安を残す。党派閥の政治資金パーティー裏金事件や女性問題など自民への逆風が収まる気配はなく、宮沢博行氏が議員辞職した3区と塩谷立氏(衆院比例東海)が離党した8区の後任選びも順調に進むか見通せない。3区の支部関係者は「知事選は候補者を決めるのが遅れ、知名度不足を解消できなかった。一刻も早く支部長を決めて組織を立て直すべきだ」と注文を付けた。
静岡新聞社