アルファベット、高まる配当開始への期待-手元資金は過去最高へ
(ブルームバーグ): 潤沢なキャッシュを抱える米アルファベットが、メタ・プラットフォームズに続き、配当を開始するのではないかとの期待が高まっている。
同社は長年にわたり余剰資金を自社株買いに回しており、25日の決算発表ではさらに700億ドル(約10兆8300億円)が振り向けられると予想されている。しかし、JPモルガン・チェースからトゥルイスト・セキュリティーズに至るまでアナリストの間では少額の配当が株価を動かす起爆剤になり得るとみている。2月にメタが初の配当を発表すると、株価は20%余り跳ね上がった。
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アミ・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、アンドルー・ザムフォティス氏は「配当は非常に高く評価されるだろう」と指摘。「投資家はこれらの企業に対してなお成長を求めている。一方で、現在ではコスト規律にも価値が置かれる。配当開始の決定は経営陣が慎重で、かつ成長と資本還元のバランスを取りながら資本配分を試みる方針であることを示唆している」と述べた。
配当は従来、低成長の成熟企業が行うものと考えられてきたが、最近になってハイテク企業の間にも浸透してきた。メタに加え、セールスフォースとブッキング・ホールディングスもここ数カ月に配当を開始。時価総額上位の米ハイテク大手6社のうち、四半期配当を実施していないのはアルファベットとアマゾン・ドット・コムだけだ。
アルファベットは年初来10%値上がりと、マイクロソフトやナスダック100指数をアウトパフォームしている。3月には期待外れの決算に加え、人工知能(AI)ツールの台頭で検索広告市場における同社の支配力が弱まるとの懸念から3カ月ぶり安値に沈む場面もあった。だが足元では、生成AI戦略に対する楽観的な見方が株価を支えている。
ブルームバーグがまとめたデータによると、アルファベットの売上高は今年14%増の見通し。またコスト削減が収益性を支えており、フリーキャッシュフローは2024年に過去最高の830億ドルに達すると見込まれている。23年末時点の現金および現金同等物は1100億ドルを超える。