広島市西区の市道陥没、原因は掘削機トラブルか 事故2週間、38人が避難生活続ける
広島市西区福島町での市道陥没事故は、10日で発生2週間となる。地下約30メートルで雨水管を掘っていた大型掘削機内に異常に泥水が流れ込む事態が起きており、機械に何らかのトラブルが生じたとみられる。詳細な原因究明には時間がかかりそうだ。いまだ40人近くの住民が避難生活を送る。 【写真】陥没した市道交差点の様子 市によると、「泥土圧式シールド工法」という技術で、直径6・15メートルの大型掘削機を使っていた。関係者によると、掘削機は進行方向から土や地下水の圧力がかかるため、機内前部のスペースを使って対抗する圧力をかけ、バランスを取りながら掘り進むという。 機内前部と壁で仕切られた後部には作業員が活動するスペースがある。通常は泥水が入り込むことはないが、事故発生時は後部や、背後に築かれたトンネルにも流れ込んでおり、圧力のバランスが崩れたとみられる。 市によると、掘削機の先端は陥没現場の中心直下とほぼ重なっているが、詳しく調査できていない。異常出水の要因は掘削機本体の問題か、地中の何らかの条件が作用したのか▽出水と陥没の関係―などを今後、市が設ける有識者の委員会で調べる。 事故は9月26日午前8時40分ごろ発生した。市によると、今月8日午後3時時点で22世帯38人がホテルや公民館に身を寄せている。建物の応急危険度判定では、原則立ち入らないようにする「危険」が9棟、立ち入りに十分注意が必要な「要注意」が3棟だった。
中国新聞社