1975年の優勝シーズンに重なる球宴での赤ヘル旋風
過去の記録をめくると、1975年の球宴第一戦は、甲子園で行われていて、3番・山本、6番・衣笠が、それぞれ2本づつ本塁打を放つというアベックアーチのツーペアを演出。投げても先発の江夏豊に続き、2番手でマウンドに上がった外木場義郎が3回を無失点に抑える、赤ヘル旋風を巻き起こして全セが8―0で快勝している。その試合のMVPは山本浩二氏。そして、掛布氏の記憶通り、当時、前半戦の首位にいたのは阪神だったが、その阪神と1.5差の3位で後半戦に突入した広島は、最後は、阪神、中日を振り切って悲願のリーグ初優勝を果たしている。 偶然にも広島の順位は、39年前と同じく3位。ゲーム差は、首位の巨人まで5ゲームはあるのだが、1988年生まれの前田健は、熱い決意を口にした。「交流戦を負け越してズルズルといってしまっていた。このオールスターをいい契機として後半は首位奪回をしたいし、ゲーム差を縮めていきたい」。