カカオショック 明治、約100億円のコスト増 チョコレート需要喚起に注力
明治HDは、カカオ原料高騰への対応を急ぐ。 カカオショックによる原料コストの影響額は今期100億円規模に達する見通し。10月から市販用チョコレートで価格改定を実施し値上げによる数量への影響も懸念されるが、カカオの希少性や価値発信などマーケティング投資を強化しチョコレート製品の需要喚起に努めていく方針を示した。 上期の食品セグメント売上高は4554億円(2.2%増)、営業利益276億円(6.9%減)。利益面では、相場影響を受けやすいカカオバターの高騰が響いた。 下期についても、当初59億円のコスト増を見込んでいたが、想定を上回る環境悪化を踏まえ129億円に引き上げた。修正額70億円のうち、48億円がカカオ原料の調達コストだ。カカオ原料だけで、通期で約100億円規模のコスト負担増となる見通しだ。 チョコレート製品は昨年から2度の価格改定を実施しているが、想定を超えるコスト高に直面し、9月からBtoB製品の価格見直し、10月から市販用チョコレートで容量変更含む約2割の価格改定を実施した。
川村和夫社長は「『チョコレート効果』などカカオを多く使う商品はスペックを変えず、マーケティング投資で価値訴求を強めていく。スペック変更などで対応できる商品は、できる限り値上げ幅を抑え、消費減退させない取り組みを強化する」と説明する。 上期のチョコレート市場は前年を上回り、明治の販売も好調だが、「約2割という改定幅を考えると今後の数量への影響が懸念される。これまでもマーケティング投資を強化し値上げ影響の最小化に努めてきたが、価格改定の浸透とマーケティング強化、商品力強化で対応していく」と方針を述べた。