Arm版の新Surfaceは市場に受け入れられるのか - 阿久津良和のWindows Weekly Report
とはいえ気になるのは価格だろう。Surface Pro 11th EditionのLCDディスプレイモデルは899.99ドル(日本マイクロソフトの直販価格は207,680円)から、有機ELディスプレイモデルは1,349.99ドル(同295,680円)から。 Surface Laptop 7th Editionは13.8インチモデルが899.99ドル(同207,680円)から、15インチモデルが1,169.99ドル(同268,180円)から。ここからメモリーやストレージ容量を増やすと価格が上昇する。 もう一つはArm版Windowsの互換性だ。前述のとおりMicrosoft SQ1/2を搭載したSurface Pro Xは使用しておらず、Armデバイスは初代のSurface RTのみだが、あまり芳(かんば)しくなかったように記憶している。 オープンソースのアプリをインストールするにもArm版を選択するか、自分でビルドしなければならない。Armに対応する特定のアプリやSaaSのみ使用するのであれば、Armの互換性は気にすることはないものの、パワーユーザーとしてSurfaceデバイスを使い倒すのであれば、互換性問題は頭の片隅に入れておくべきだ。
確かにIntel製CPUを搭載した新Surfaceだったら変わり映えせずに関心を集めないだろう。だが、CPU/NPU/GPUをQualcomm製プロセッサーに置き換えた新Surfaceは、ある意味野心的なモデルといえる。後は市場に受け入れられるか否かだ。関心をお持ちの方は同社の動向に注目してほしい。 ■ 著者 : 阿久津良和 あくつよしかず 1972年生まれのITライター。PC総合誌やDOS/V専門誌、Windows専門誌など、各PC雑誌の編集部員を経たのちに独立。WindowsとLinuxをこよなく愛しつつ、PC関連の著書を多数手がける。近年はBtoCにとどまらず、BtoBソリューションの取材やインタビューが主戦場。休肝日を設けず日々飲み続けてきたが、γ-GTP値が急激に増加し、早急な対応を求められている。
阿久津良和