世界へ羽ばたけ日本のカレー 全日本カレー協同組合が輸出促進委員会発足
全日本カレー工業協同組合は新たに輸出促進委員会を発足させ、日式カレーの海外輸出を加速させる。同組合は2022年から欧州への市場性調査、啓発活動などの輸出促進に向けた取り組みを始め、その可能性を探ってきた。今年からは輸出促進委員会を中心に各種事業を推進する。
国際展示会へ出展、欧米で“日式カレー”の普及活動も
22年には当時の小形博行理事長らが、欧州各国の外食・流通事情を視察するとともに、日本食レストランのシェフなどを集めたカレーメニュー開発セミナーを実施することで外食産業へアプローチ。また、大規模展示会(Anuga2023)に出展し日式カレーの魅力を小売・問屋などへアピール。ドイツ、フランス、イギリスでは、消費者に対して日式カレーの喫食機会を創出するため、日本食レストラン数十店でカレーメニューを一斉に提供するカレーウイークを毎年実施。さらにフランスの学校では日式カレーの体験会を開催し未来の胃袋を抑さえる。欧州以外では、シンガポールでの展示会出展や、ニューヨークでのメニュー開発セミナーを実施するなど、積極的な活動を続けている。 この活動をけん引してきた小形博行前理事長(エスビー食品前会長)は「この輸出促進事業を通じて、インドカレーとは違う日本のカレーが世界に通じる可能性を大いに感じた。そのポテンシャルは無限だ」と話す。 浦上博史現理事長(ハウス食品グループ本社社長)は「小形前理事長にはコロナ禍で困難が多かったと思うが、カレーの輸出という将来への布石を打っていただいた。輸出促進を組合としてこれからも積極的に取り組んでいく」と輸出促進に向けた決意を述べた。現在、同組合では大手メーカーから専業メーカーまで幅広く参画する輸出促進委員会の運営体制を固めつつ、今年度の事業推進に着手している。
日本食糧新聞社