キオクシアHD、10月にも上場 時価総額1兆5000億円超か
東芝のメモリー半導体事業を前身とするキオクシアホールディングス(HD、東京)が、東京証券取引所に上場申請したことが23日、分かった。早ければ10月中の上場を目指している。時価総額は1兆5千億円を超え、今年最大の新規株式公開(IPO)になる可能性がある。 【写真】「フラッシュメモリー」(キオクシア提供)
キオクシアHDは、スマートフォンなどのデータ保存に使う記憶媒体「NAND型フラッシュメモリー」で世界市場シェア上位。三重県四日市市と岩手県北上市の工場を米ウエスタン・デジタルと共同運営している。人工知能(AI)の普及などで需要拡大が見込まれ、上場によって研究開発や設備投資のための資金を確保し、競争力を強化する。広報担当者は共同通信の取材に「適切な時期の上場を目指して準備を進めている」とコメントした。 キオクシアHDは、不正会計問題などで経営危機に陥った東芝が2017年に分社化した半導体事業の持ち株会社。東証への上場を巡っても曲折し、20年にいったん承認を受けたが、事業環境の悪化で頓挫した経緯がある。当時想定した時価総額が1兆5千億円超だった。