ハリウッドザコシショウ、松本人志不在の1年を振り返り「やっぱり替えがたい存在」
ハリウッドザコシショウの冠番組「冠ザコシの冠冠大冠」が11月30日(土)からSBS(静岡放送)でスタート(深夜0:28~0:58、毎月放送、全5回予定。TVerでは12月1日正午より配信)。月末のお楽しみとして放送される本作は、ザコシが「地元で冠番組を持ったらこれをやりたい!」と考えていたことを詰め込んだザコシワールド凝縮の地元凱旋番組。今回は、番組に対するアツい思いを直撃インタビュー。また、様々なことが起きた2024年のお笑い界も振り返ってもらった。 【動画】人気の「お金の虎」新作ほかザコシワールド全開「冠ザコシの冠冠大冠」 ■東京のザコシとは違うMCトークにも注目 ――念願の冠番組がスタートするとのことですが。 ありがてぇですよ。地元の静岡の局のSBSで月1でやっていくという。で、評判がよかったら続いていくのもうれしいですわ。えぇやんえぇやんですわ。 ――どのような内容にしていくのですか? 収録後は「俺のやりたいことをやらせてもらう。Mr.マリックの”チョゲチョゲ30分”」をやりたいとおっしゃっていましたが…。 SBSはバラエティー番組をいままであまり作ったことがないらしいので、ボクといつもやっているディレクターとSBSのスタッフ陣が一緒になってどう見せるのがいいのかを考えて作っています。最初はやりたいことを思いっ切り詰めていこうと思ったんですけど、地方局なので東京とかに比べたらバラエティー番組を見たことがない人もいるので、そういう人たちにも見やすい番組を少し意識しようかなと。メインになるコアなものと緩くできるもの、両立させつつやっていければ。 ディレクターが言うには、「東京の番組では騒いでいるイメージがあるので、この番組ではザコシショウがまったりとMCをしつつその会話が面白いみたいな部分も見せることができたら」って。なのでいろんな面を見せられたらと思っています。 ――第1回放送は、伝説の番組「○ネーの虎」のパロディコント「お金の虎」とのことですが。 これはYouTubeでもやっている企画なんですが、その新作。最初は、YouTubeでやっている企画をやるつもりはなかったけど、そんなことを言っている場合じゃねぇって。そして、YouTubeも自分の企画だからいいかなって。いいものをどんどん出してより楽しめるものにしていこうと思っています。 ――昨年末に自腹で放送枠を買い取り制作費も全額出資した「提供ハリウッドザコシショウ」(tvk)を制作しましたが、ここでの経験が生きている感じですか? 企画の作り方、撮り方が大体分かったのは大きかったです。あと、ザコシが番組を作ったらこんな感じ、というのを多くの人に植えつけることができたのもよかったんじゃないかな。えぇやんって感じです。 ――「提供―」はTVerでも見られず幻の番組になっていましたが、今回の「冠ザコシの冠冠大冠」はTVerでの配信もあるんですよね。 全国のみんなに見てもらえるのは本当にうれしいです。ぜひいろんな人に見てもらいたいです。 ■2024年のお笑い界を振り返る ――そんな年末に念願が叶ったザコシさんですが、今回は年末ということで2024年のお笑い界をちょっと斬ってもらえたらと思っているのですが…。 あの番組みたいに「喝!」って言えばいいの?(笑)まぁ今年も色んなことがありましたが、すべてまとめてえぇやんですわ。 ――まず、1月より松本人志さんが活動休止したことから。松本さんがいない2024年のお笑い界、バラエティー界はどんな印象でしたか? 正直、何があったのかは分からないしそこは何も言えないですが、イチ共演者としては松本さんにいてほしいですけどね。松本さんと絡みたくてこの世界にいるわけですから。夢だったり目標としていた人ばかりなので、それはやっぱり寂しかったです。 ――松本さんのすごさはどこにあるのですか? いろんなバロメーターがあるとして、松本さんに1個だけ勝っている人はいると思うんです。たとえばボクなら「誇張」だと勝てる。でもそれ以外はムリ。総合面では絶対に勝てないんです。その何でもできるっていうのがやっぱりすごい。「水ダウ」(「水曜日のダウンタウン」TBS系)とか見ていても、結局、松本さんが最後オトすわけですから。あれがあるのとないのとは全然違う。やっぱり替えがたい人なんだと思います。 ――「水曜日のダウンタウン」や「ダウンタウンDX」(日本テレビ系)など、番組は終わらず続けているのもすごいですよね。 そこはやはり冠番組のチーム感ですよ。本当に頼もしいと思います。こういう存在って本当に大事です。そして残っている人たちは帰ってくることを信じて、結束を固めて盛り上げようとしているんだと思います。今後、どういう形になるか分からないですが、戻ってきたら、さらに面白くなっていくんじゃないかなと。 ■事務所から独立する芸人も話題に ――今年はキンタロー。さんやみなみかわさんなど事務所を退所して独立する芸人も多かったですが、お二人とも“円満退社”を口にしていました。ザコシさんは吉本興業、ワタナベエンターテインメントと2回退所を経験していますがいかがでしたか? “円満”って何なんですかね? ボクは普通に「辞めます」って言ったら「わかりました」と言われただけなので。そう考えたら円満か。文句とか特に言われなかったし(笑)。結局のところみんな“円満”な気もするんですけど。 ――フリーと事務所所属、ザコシさんはどちらいいと思いますか? 絶対に事務所に入っている方がいいと思います。だってキンタロー。は自分でマネージャーみたいなこともしていたでしょ。確か最初は偽名を使ってマネージャーのフリとかしていたらしいけど、絶対に大変ですよ。特にギャラ交渉とかめちゃくちゃ面倒くさそう。ボクはそういう交渉できないから、面倒くさいことを全部やってくれる事務所の存在はありがたいですわ。 ――あと事務所に入っていると仲間ができるのが大きいですよね。 これは大きい。一緒に何かできますから。SMAもここまで大きくなるとは思ってはいなかったけど。でも事務所に入ったときにボクが描いたビジョン通りにはなっているから、うちはこれでいい気もします。 ――どういうことを思い描いていたのですか? 早く、サンミュージックでいうところのカンニング竹山さんの位置になろうと考えていて。そういう意味では、下も育ってきたしビジョン通りかなと。 ――チャンピオンばかりの実力派ですからね。 面接もなく来たら入れる状態からここまで人気になったのはボクの力ですよ(笑)。ボクに憧れて入ってきているヤツばかりですから。いわば、今、残っている芸人は、基本、ザコシ派閥なんです。バイきんぐ、錦鯉、アキラ100%とか。でもまぁ最近は後輩から憧れられないね。若手とかからはあいさつとか無視されてますよ(笑)。 ■誇張モノマネで気を付けるようになったこと ――ご自身の身に起きた大変なことと言えば、ある誇張モノマネが物議を醸していましたが…。 難しいですよね。こっちがそのつもりがなくても誹謗中傷につながったら大変という。自分ではどうしようもできないのがちょっと恐いなと思いました。 ――あれ以降、誇張モノマネをする際に気をつけていることはありますか? モノマネは早さが命なんです。誰かにやられると二番煎じになるから、良いと思ったものを早く作って世に出すってことに重きを置いていたけど、あれ以降、なんかちょっと1つ間を置いている自分がいる。これで大丈夫なのかってことを考えるようになって…。 ただ相変わらず(レイザーラモン)RGは早いですけど。気がつけば旬の人をやっていて。あとは弟子みたいなもんだけどキンタロー。もすごい。誇張どころじゃないこともあるから。でもアイツも恐いって言ってた気がする。確か誰かに怒られたんじゃないかな。 ――面白いだけでは難しい世の中になってきているんですかね? それはあると思います。だからこそ、怒られても面白いものを届けるっていう強い心も必要な気がします。 取材・文=玉置晴子 撮影=阿部岳人