町田ゼルビアの柴戸海が見事なゴールを披露した　撮影：中地拓也

　J1のFC町田ゼルビアが、第15節で東京ヴェルディに5-1と大勝した。5つ生まれたゴールの中でも、今季加入したMFの決めた見事なボレーに、称賛と驚きの声が広がっている。 ■【動画】「すんごいゴールきたー!」「ビューティフルゴールやん」などの声が上がった2021年天皇杯決勝彷彿のJ1町田MF柴戸のボレーシュート 　前節を終えて2位につけていた町田は5月19日、ホームに東京ヴェルディを迎えた。昨季はJ2で展開されたが、今季は国内トップリーグで行われる「東京クラシック」である。 　昨季は町田が1勝1分で勝ち越していた。順位でも上ではあったが、乗り込んでくる東京Vも第4節以降、無敗ロードを走っている。決して気の抜けない対戦だった。 　試合は思わぬ展開を見せる。開始11分で、オウンゴールで町田が先制。さらに前半29分には追加点が生まれ、後半15分には藤尾翔太のこの試合2点目のゴールで、町田がリードを3点に広げた。 　ホームで勢いに乗る選手たちとファンを沸かせたのは、後半35分のチーム4点目だ。決めたのは柴戸海だった。 　柴戸は今季、浦和レッズから期限付き移籍で加入。前節までリーグ戦12試合に出場して、主力としてチームの躍進に貢献していた。 　そんな柴戸だが、前節までのシュート本数はわずかに2本。主に守備面で、実直にチームを支えてきた。 　だが、ビッグチャンスに大きな働きをした。後半35分、町田が用いた得意のロングスローで柴戸が輝く。ゴール前に送り込まれたボールは一度ははじき返されたが、落下地点には柴戸がいた。待ってましたと言わんばかり、ペナルティーアーク内で背番号45は冷静だった。相手選手が寄せてきたものの集中力が途切れることはなく、きれいに左足を合わせると、見事なボレーシュートとなってゴール右隅に突き刺さった。

■「天皇杯決勝のボレーみたい」

　この動画がJリーグのSNSなどで公開されると、すぐさまファンが反応した。 「すんごいゴールきたー!」 「柴戸くん凄っ」 「これは見事」 「柴戸、ビューティフルゴールやん」 「天皇杯決勝のボレーみたい」 「浦和をアジアに連れて行ったでお馴染みの柴戸海選手の左足ダイレクトボレー」 　コメントで指摘されているのは、2021年の天皇杯決勝だろう。決勝に進出した浦和は1-1で後半アディショナルタイムに突入したが、槙野智明氏のゴールで劇的な勝利をつかんだ。すでに退団が決まっていた槙野氏の「お祭り男」ぶりが注目されたが、槙野氏が軌道を変えることによって決勝点とした弾道は、今回と同じようにCKのこぼれ球を柴戸が左足ボレーで叩いたものだった。 　2021年天皇杯のように、柴戸のボレーはタイトルをもたらす吉兆となるのか。首位へと返り咲いた町田と柴戸の今後に、注目が集まる。